1963年の南海ホークス

1963年の南海ホークスのシーズンレビュー

1963年、南海ホークスは監督鶴岡一人にとって18年目のシーズンを迎えました。この年は前年の不振から立ち直り、首位に立つ好スタートを切ることができました。特に、前シーズンの最下位からの復活を果たし、最終的には2位に位置しました。

シーズンの概要

開幕早々、南海は13勝2敗という素晴らしい成績で首位に立ちました。前年のリーグ優勝を飾った東映が思うように勝ちを重ねられなかったのに対し、南海の打撃陣は大きく活躍しました。具体的には、184本塁打を記録し、外国人選手ピートが24本、ハドリが30本という素晴らしい数字を残しました。

4番バッターとしてチームの中心的存在である野村克也は、1950年に小鶴誠が打ち立てた年間51本塁打という記録を13年ぶりに破り、52本塁打を達成しました。この年、野村はリーグMVPや打点王にも輝き、その存在感を示しました。野村の活躍に支えられ、南海の打撃は確実に波に乗っていきました。

投手陣の活躍

投手陣についても、杉浦忠、ジョー・スタンカ、皆川睦雄といったエースたちが勝ち星を重ねました。また、若手投手の三浦清弘、森中千香良、高橋栄一郎も力を発揮し、全員が二桁勝利をあげるという見事な成績を残しました。この前半戦の充実したプレーが、後半に向けても期待されました。

後半戦の低迷

しかし、順調な前半戦から一転、後半戦では厳しい戦いを強いられました。西鉄が猛追を始め、南海は14.5ゲーム差から追われる形になってしまいました。前半戦では互角に戦っていたものの、後半の直接対決でほとんど勝てず、特に8月以降はわずか4勝と苦しい展開が続きました。最終的には南海は2位に終わり、西鉄の逆転優勝を許してしまいました。

特に記憶に残る出来事

シーズン中には数々の印象的な出来事がありました。8月29日の阪急ブレーブス戦では、雨天中断の際に試合続行が強行される中、当時日本新記録ペースで本塁打を打っていた野村の記録を守りたかった大阪球場側の思惑が伺えました。そして、10月17日の近鉄バファローズ戦では、野村が52号本塁打を放ち、歴史的な記録を更新しました。これにより、全日程を終了した南海は来季に向けての期待を持ったものの、最終的にはウェスタンリーグの結果によって優勝はできませんでした。

結論

1963年の南海ホークスは、打撃力と投手力でシーズンの大半を引っ張ったものの、後半での失速により2位で終わりました。この経験は、翌年のリーグ優勝と日本一に繋がる素地を作るもので、チームにとっては重要なシーズンとなったことでしょう。

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