1963年の阪急ブレーブス

1963年の阪急ブレーブス

1963年の阪急ブレーブスは、新たに西本幸雄が監督に就任した年でした。このシーズンは、長年のBクラス脱却を目指す中での試行錯誤の1年となります。西本監督は、前年までの打撃コーチとしての経験を活かしながら、チームの改革を試みましたが、選手たちの覚醒を促すには至りませんでした。

シーズンの概要

西本幸雄監督のもと、チームは「鉄拳制裁」などの厳しい手法を用い、自らのスタイルで改革を推進しました。しかし、長い間の負け癖がチームに染みついており、その体質を改善するには時間が足りないものでした。投手陣では、梶本隆夫や米田哲也の姿が目立ち、その他には石井茂雄や足立光宏もローテーションに加わるなどしましたが、彼らに対する打線の援護が乏しく、負け試合が多く見られました。

打撃陣に目を向けると、4番の中田昌宏、石井晶、そして切り込み隊長として期待されるロベルト・バルボンは、例年通りの成績を残しました。しかし、それ以外の主力選手たちが不振を極め、打順全体のバランスが崩れました。そして、西本監督にとって初のシーズンは球団史上初めて最下位と悲しい結果に終わってしまいました。優勝を果たした西鉄には13勝16敗1分の成績を残しましたが、2位の南海には10勝20敗、さらに5位の大毎には7.5ゲームも引き離されるという厳しい結果でした。

ユニフォームの変更

この年、阪急ブレーブスはビジター用のユニフォームを一新しました。新デザインは黒とオレンジを基調としており、このスタイルは1971年まで続きました。このユニフォームの変更も、新たなチーム作りに向けた一歩と言えます。

特徴的な試合の出来事

8月14日には近鉄との試合において、1937年10月27日の試合以来、26年振りとなる「5連続安打で無得点」という珍しい記録が生まれました。具体的には、先頭バッターのロベルト・バルボンが安打で出塁したものの、次打者の岡島博治が二盗失敗。続いて岡島の安打の後、戸口天従も安打を放つも、岡島が三塁でアウトになりました。4番の中田昌宏と早瀬方禧はそれぞれ中前安打を放ったものの、一挙に本塁を狙った戸口が返球でアウト。この試合は今後も語り草になる出来事の一つとなりました。

総括

1963年の阪急ブレーブスは、新監督の西本幸雄のもとで多くの挑戦があったものの、結果は厳しいものとなりました。この年の最下位は、阪急の歴史の中でも特別なものであり、その後の成長に向けた道のりの一部として記憶されることでしょう。

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