1964年の中日ドラゴンズ

1964年の中日ドラゴンズの動向

1964年の中日ドラゴンズは、杉浦清監督の2年目のシーズンとして、多くの試練に直面しました。この年、前シーズンを2位で終えたチームは、1954年以来のリーグ優勝の期待を一身に抱いていました。しかし、開幕直後の大洋との3連戦では大きな失望が待っていました。投手陣が大洋の強力な打線に苦しみ、3試合で合計30失点を喫して、最悪のスタートを切ります。

シーズンの初め、4月の段階では、チームは最下位に沈み、状況は厳しさを増しました。この結果、杉浦監督は6月8日に休養を余儀なくされ、ヘッドコーチの西沢道夫が監督代行としてチームを指揮することになりました。しかし、投手陣は度重なる打たれ方に苦悩し、板東英二や河村保彦、柿本実らが先発登板のたびに打線にやられる一方で、権藤博は酷使が影響し成績が低下しました。

それにも関わらず、柿本はチームトップの15勝を挙げましたが、それに続く勝利は河村、山中巽、中山義朗の7勝にとどまりました。一方、板東と権藤はそれぞれ6勝を記録したものの、防御率は前年の2.84から3.63へと低下し、チームの苦境を象徴しました。

打撃陣では、木俣達彦が加わり、これまでの正捕手である江藤慎一が内野手として復帰することになりました。その江藤はこの年の首位打者に輝くなど、チームの打撃では貢献をしました。また、中利夫の活躍もあり、チーム打率はリーグ2位となりましたが、123失策を記録し、こちらはリーグワーストの結果となってしまいました。

チームは大洋には13勝15敗と健闘したものの、優勝した阪神には8勝20敗という成績で大きく負け越してしまいました。最終的に中日ドラゴンズは阪神から25ゲーム、4位の広島からも8.5ゲーム差で最下位に終わります。これは1948年以来およそ16年ぶり、またセ・リーグ成立以降初めての最下位となりました。

シーズンの終盤では、西沢新監督がチームのユニフォームを1962年以前の紺色主体のデザインに戻すことを決め、これが1968年まで続くこととなります。

特筆すべきできごと

この年のハイライトの一つとして、6月17日の巨人戦が挙げられます。この試合の5回表、第2アウトの場面で、ジム・マーシャルがレフトに大飛球を放ちましたが、相羽欣厚左翼手が捕球しようとした際に観客が手を出してしまい、結果的にアウトとなる「マーシャルの消えた本塁打事件」という珍事が起こりました。

選手と表彰

このシーズンの選手たちは、厳しい状況の中でも懸命に戦い、さまざまなドラマが展開されました。また、シーズン中にはいくつかの選手が表彰を受けることもありました。

1964年の中日ドラゴンズは期待に反して苦しいシーズンを余儀なくされましたが、それでも選手たちはその中で成長を遂げ、次への布石を築く機会となりました。

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