柿本実

柿本 実（かきもと みのる）について

柿本実は、1935年10月5日に福岡県京都郡苅田町で生まれた元プロ野球選手であり、引退後はブライダルサロンを運営する経営者としても知られています。度重なる転機を迎えた彼のキャリアは、多くの野球ファンにとって興味深いものです。

プロ入り前の経歴

彼の野球キャリアは苅田高校での内野手として始まりましたが、卒業後は準硬式野球チームの豊岡セメントに入団した際に投手に転向しました。その後、社会人野球の日炭高松でもプレーし、1960年には都市対抗野球に出場しました。特に、初戦での電電東京戦でのリリーフ登板は彼に初勝利をもたらし、チームの歴史に名を刻む瞬間となりました。

現役時代の成功

1960年に南海ホークスに入団しましたが、出場機会は限られ、1試合の登板後に自由契約となりました。しかし、1961年に中日ドラゴンズに移籍し、ここでのコーチに恵まれたことが彼の運命を変えました。近藤貞雄コーチの指導の下、オーバースローからサイドスローに転向したことで、彼の才能が開花します。1961年後半から一軍に抜擢された彼は、チームの優勝争いに参加しました。

プロ入り翌年の1962年には、開幕戦での初完投勝利を達成し、日本プロ野球史上初となる偉業を達成しました。この年は20勝を挙げ、規定投球回にも到達し、防御率は2.06でした。1963年には更に成績を上げ、21勝と最優秀防御率のタイトルを獲得。この年の8月の阪神戦では、打席を入れ替える独特のパフォーマンスも記憶に残ります。その大胆なピッチングスタイルと人を引きつけるキャラクターから、彼はファンの間で個性派選手として人気を博しました。

移籍とその後

1966年には阪急ブレーブスに移籍しましたが、その年中に自由契約となり、1970年には阪神タイガースに所属。阪神では主にリリーフとして活躍し、1969年のシーズン終了後に現役を引退しました。キャリアの中で、通算1402.1イニングを投げて暴投はゼロという素晴らしい記録を持っています。また、スライダー、シュート、シンカーを使用した多彩な投球スタイルが印象的でした。

引退後の活動

引退後は、阪神の二軍と一軍で投手コーチを務め、若手選手の育成に貢献しました。1970年代初頭にプロ野球界を離れた後は、兵庫県西宮市でブライダルサロン『柿本』を開業し、経営者として新しいキャリアを築いています。元プロ野球選手としての経験を生かし、地域に根ざしたビジネスを展開しています。

柿本実のキャリアは、選手としての実績と引退後の新たな挑戦の両面で多くの人に影響を与えています。

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