1964年の阪急ブレーブス

1964年の阪急ブレーブスのシーズン動向

1964年の阪急ブレーブスは、西本幸雄監督が2年目を迎えたシーズンであり、積極的なチーム編成が注目された。この年、チームは現役の大リーガーであるダリル・スペンサーの加入によって大きな飛躍を遂げることになります。スペンサーの加入に加え、ゴードン・ウィンディの活躍が打線に華を添え、開幕前からAクラス候補に名を連ねていました。

シーズンのスタートは順調で、特に5月までの期間は前年に優勝を飾った西鉄や南海と競り合いながら首位争いに精力的に挑みました。しかし、6月には西鉄が少しずつ失速し、以降は南海とのマッチレースに突入します。一時は南海から首位を奪還するなど、チームの勢いを感じる瞬間もありましたが、9月以降は南海の経験値に差を広げられ、結局は優勝を逃す結果となりました。これは球団創設以来の初優勝の夢が再び遠のくことを意味していました。

投手陣では米田哲也、梶本隆夫、石井茂雄、足立光宏の4人がローテーションを組み、特にこれらの投手がチームの勝ち星の半分を稼ぐ活躍をし、防御率も3.01と素晴らしい数値を記録しました。この点では優勝を果たした南海を凌ぎ、チームの投手力が光るシーズンとなりました。一方で打撃陣では、3番にくるウィンディ、4番のスペンサー、5番の石井晶といったクリーンナップが中心となり、合計141本の本塁打、543打点を挙げてリーグ内で2位の成績を残しました。しかし、盗塁に関する意識が薄かったため、68盗塁に留まりリーグ最下位に終わりました。

シーズン終了後には1955年からチームの重要な選手として活躍していたロベルト・バルボンが近鉄に移籍することが発表され、多くのファンに衝撃が走りました。彼は1974年には通訳兼コーチとして阪急に復帰し、貢献を続けました。

このように1964年の阪急ブレーブスは、選手層の厚さや投手力の高さを示しつつも、いくつかの課題を抱えるシーズンとなりました。特に、強力な打撃陣があったにもかかわらず、機動力不足が響き優勝への道を逃したことが今後の課題となるでしょう。来シーズンに向けてチームのさらなる発展が期待されます。

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