1965年アメリカグランプリ

1965年10月3日、ワトキンズ・グレン・グランプリ・サーキットにおいて、1965年のF1世界選手権第9戦、アメリカグランプリが開催されました。1.5リッターF1エンジンの最後の年、すでにジム・クラークがドライバーズチャンピオンを獲得していましたが、このレースではBRMのグラハム・ヒルが圧倒的な強さを見せつけました。

レースは110周で行われ、ヒルはポールポジションからスタート。予選では、寒く風雨の強い悪天候の中、クラークとの接戦が繰り広げられました。クラークは複数のマシンを乗り換えながらタイムアタックを行い、ヒルに僅差で迫りましたが、最終的にヒルがポールポジションを獲得しました。予選では、ホンダの強力なV12エンジンを搭載したマシンが好調で、リッチー・ギンサーが3番手グリッドを獲得するなど、多様なマシンがしのぎを削りました。

決勝レース当日も天候は不安定で、スタート前には雨が降るなど、ドライバーたちは難しいコンディションの中でレースに挑みました。レース序盤は、ヒルとクラークがトップ争いを展開。激しいバトルの末、クラークのマシンにトラブルが発生し、ヒルが再びトップに立ちます。その後も、ガーニー、ブラバム、バンディーニといった強豪ドライバーたちが激しいポジション争いを展開。マシントラブルやアクシデントにより、多くのドライバーがリタイアする展開となりました。

レース中盤、突如として大雨がコースを襲いました。この豪雨により、コース状況は一変。ヒルはコースアウトするアクシデントに見舞われますが、すぐにコース復帰。その後も、ガーニー、ブラバムとのスリリングなバトルが展開されました。特に、ブラバムとヒルの攻防は白熱し、コースオフ寸前のギリギリの攻防が観客を魅了しました。

最終的に、ヒルはガーニーに12秒の差をつけて優勝。グレンでの3連勝、そしてシーズン2勝目を飾りました。このレースは、天候、マシントラブル、そしてドライバーたちの卓越したドライビングテクニックが織りなす、まさにドラマチックな展開に満ちた一戦でした。

一方、ホンダ勢は、創設者である本田宗一郎社長が観戦に訪れる中、ギンサー7位、バックナム13位と、期待されたほどの結果は残せませんでした。これは、本田宗一郎が1964年から1968年のホンダF1参戦期間において、自ら現地で観戦した唯一のレースとなりました。

このレースの開催後、ワトキンス・グレン・グランプリ・コーポレーションは、[グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション]から「ベストオーガナイズドレース賞」を受賞。レースの運営が高く評価されたことを示しています。レース結果、予選順位、ラップリーダー、そして当時のドライバーズランキング（トップ5）といったデータは、このレースの盛り上がりと緊迫感、そして歴史的な意義を改めて浮き彫りにしています。様々な文献や記録を参照することで、1965年アメリカグランプリの詳細な様子、そしてその背景にある歴史的、技術的な要素をより深く理解することが出来ます。

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