ブラバム

ブラバム・モーターレーシング

ブラバム・モーターレーシング（Brabham Motor Racing Developments Ltd.）は、1962年から1992年まで活動した有名なフォーミュラ1チームです。このチームは、ジャック・ブラバムとロン・トーラナックの共同設立を背景に、F1コンストラクターの中でも名門の一つとして知られるようになりました。特に、独自のシャーシ名「BT」は、設立者らの名前のイニシャルに由来しています。

設立と初期の成功

1959年から1960年にかけてF1チャンピオンを獲得したジャック・ブラバムは、クーパーを離れ自身のチームを設立しました。1962年には、ロン・トーラナックと共に競技用のスポーツカーやフォーミュラカーの製造を開始しました。F1には1962年のオランダGPから参加し、当初は他のチームのマシンを使用して競技していましたが、すぐに自社製のBT3を投入し、1964年にはダン・ガーニーが初優勝を果たしました。

1966年にはF1のエンジン規定が変更され、ブラバムはレプコエンジンを採用。この選択が功を奏し、ブラバムはジャック・ブラバムが4勝をあげてチャンピオンに輝き、同時にコンストラクターズタイトルも獲得しました。1967年にはデニス・ハルムがチャンピオンに。これによりブラバムはコンストラクターズタイトル2連覇を達成します。

新体制と低迷

1970年にジャック・ブラバムが引退した後、バーニー・エクレストンがチームを買収し、1972年から新体制での運営が始まりました。ゴードン・マレーによる独創的なデザインのマシンが次第に性能を向上させ、1975年にはコンストラクターズランキングで2位となりました。しかし、1976年以降、アルファ・ロメオエンジンに変更したことで成績が低迷し始めました。

1978年にはニキ・ラウダを迎え、BT46Bでの勝利を得ましたが、その後このマシンは禁止される運命となります。79年にはネルソン・ピケが加入し、1981年には新技術を駆使したマシンで初のドライバーズタイトルを獲得しました。これがブラバムの第2次黄金期の始まりです。

ターボエンジンと再低迷

1982年からはBMWのターボエンジンを使用し、ピケは再びチャンピオンに輝きました。しかし、その後はターボエンジンの過熱な開発競争に巻き込まれ、なかなか勝利を手にすることができなくなります。1986年には新しい概念のBT55を投入しましたが、技術的な問題に悩まされ、成績が振るわない日々が続きました。

消滅とその後

1992年には、F1での厳しい状況を受け、チームは撤退することになります。日本の企業がオーナーとなった時期もありましたが、資金難やスポンサー問題により成績は伸びず、最終的には消滅しました。

その後ブラバムの名はF1から離れましたが、2009年に新たな形で再び注目されました。2013年には、創設者のジャック・ブラバムの息子、デビッドがプロジェクトを立ち上げ、数々の自動車ビジネスやイベントを展開。2022年時点では、部分的に復活した形で新たなブランドとして存在しています。

シンボルマーク

ブラバムでは「ヒッシング・シド」というシンボルが使用されており、そのデザインは架空の生き物をモチーフにしています。このユニークなマークは、エクレストンの時代に生まれたもので、チームのアイデンティティとして親しまれました。

ブラバム・モーターレーシングは、数々の栄光を持ったF1コンストラクターとしての歴史を築き、現在でもその名は多くのファンに記憶されています。

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