1966 FIFAワールドカップ・アフリカ・アジア・オセアニア予選

1966 FIFAワールドカップ アフリカ・アジア・オセアニア予選：波乱の出場権争奪戦

1966年FIFAワールドカップのアフリカ・アジア・オセアニア予選は、前例のない混乱と政治的な緊張に満ちた大会でした。当初、アフリカサッカー連盟（CAF）所属の15チーム、アジアサッカー連盟（AFC）所属の2チーム、そしてオセアニア地区からエントリーした2チームの計19チームが参加を予定していました。しかし、コンゴとフィリピンのエントリーは受理されませんでした。

予選方式

予選はアフリカ地区とアジア・オセアニア地区に分けられ、それぞれの地区を勝ち抜いた1位同士が最終予選で対戦し、勝利チームが本大会への出場権を獲得するという方式でした。

アフリカ地区予選

CAF所属の15チームが参加する予定でしたが、一次予選のグループ分けは以下の通りでした。

グループ1: ガーナ、ギニア
グループ2: カメルーン、スーダン
グループ3: アルジェリア、リベリア、チュニジア
グループ4: マリ、モロッコ、セネガル
グループ5: エチオピア、ガボン
グループ6: リビア、ナイジェリア、アラブ連合共和国（現エジプト）

各グループの上位チームが二次予選へ進出し、さらに三次予選を経て、最終予選への出場チームが決定するはずでした。しかし、後述する理由により、アフリカ地区予選は実施されませんでした。

アジア・オセアニア地区予選

AFCとオセアニア地区から4チームが参加を予定していました。一次予選は4チームによる総当たり戦で行われ、1位のチームが最終予選に進出する予定でした。

当初、韓国も参加予定でしたが、棄権しました。また、アパルトヘイト政策によりCAFから追放されていた南アフリカ共和国がオセアニア地区からエントリーしましたが、失格となりました。

予選結果

アフリカ地区予選が実施されなかったため、アジア・オセアニア地区予選を勝ち抜いた北朝鮮が自動的に本大会への出場権を獲得しました。

出場枠の問題と各国の棄権

アフリカ、アジア、オセアニアの3地区に与えられた出場枠はわずか1つでした。これに対し、CAFはFIFAに抗議しましたが、却下されました。この決定に反発し、アフリカ連盟所属の15チームは全て予選を棄権しました。

また、日本は出場した場合、オリンピックのアマチュア規定に抵触する可能性があり、代表選手がオリンピックに出場できなくなるため、予選へのエントリーを見送りました。

最終的に、予選に参加したのは北朝鮮とオーストラリアのみとなりました。この2チーム間で最終予選が行われ、北朝鮮が勝利し、本大会への出場権を獲得しました。

この予選は、出場枠の少なさ、政治的な問題、そして各国の思惑が複雑に絡み合い、ワールドカップ史上でも特異な出来事として記憶されています。

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