1966年の中日ドラゴンズ

1966年 中日ドラゴンズのシーズン総括

1966年は中日ドラゴンズにとって、西沢道夫監督の3年目のシーズンであり、前年度の成績を踏まえ優勝が期待された年でした。しかし、実際のシーズンでは前年に続いて巨人が圧倒的な力を見せ、ドラゴンズはその後を追う形で苦しい戦いを強いられました。

巨人戦の厳しい結果

シーズンが始まると、ドラゴンズは前年優勝の巨人に苦しむことになります。最終的に巨人戦では6勝20敗という厳しい成績に終わり、その影響でチーム全体の士気にも影響が出ました。巨人戦を除けば、ドラゴンズは70勝34敗という好成績を収め、貯金も36を達成したものの、重要な対戦で力を発揮できなかったことが痛手となりました。

投手陣の活躍

投手陣では近藤貞雄投手コーチの指導のもと、小川健太郎、河村保彦、水谷寿伸、山中巽などがローテーションを組み、安定した成績を支えました。また、抑えとして板東英二が控え、チーム防御率2.54でリーグ3位という素晴らしい成績を残しましたが、エースの小川が巨人戦でわずか1勝と期待を裏切る結果となりました。全体として、76勝のうち64勝はエースや抑えによるものだったため、彼らの貢献は大きかったと言えます。

打撃陣の状況

打撃陣では前年からの野手転向組である権藤博や一枝修平が主に2番を打ち、中利夫と高木守道の1・2番コンビは分断されてしまいました。これにより盗塁数も前年から減少してしまったものの、主力選手の中、高木、江藤慎一はキャリアハイに近い成績を収め、本塁打と打率でリーグ1位となるなど、光る部分もありました。ただし、外国人選手に対する期待は裏切られる結果となったため、打撃陣全体の波に乗り切れない場面も見受けられました。

最終成績と明るい話題

勝率は前年をやや上回るものの、巨人戦での苦戦が響き、最終的には2位に終わりました。西沢監督が長年の夢としていたペナント制覇は叶いませんでしたが、後半戦ではルーキーの広野功がスタメンに起用され、堀内恒夫の14連勝を阻止するサヨナラ満塁本塁打を放つなど、明るい話題もありました。

また、ドラゴンズは広島に対して19勝7敗1分、最下位のサンケイにも18勝8敗1分と大きく押し切る結果を残しましたが、9月以降は勝ち星がわずか1つに留まってしまったのも悔やまれる点です。

このように1966年の中日ドラゴンズは、期待されたシーズンながらも課題が多く残る結果に終わりましたが、選手たちは個々の成長を見せる場面も多く見受けられ、未来への希望を感じさせるシーズンとなりました。

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