1967年の日本グランプリ (ロードレース)

1967年10月14日、静岡県の富士スピードウェイにおいて、ロードレース世界選手権1967年シーズンの第13戦、日本グランプリが開催されました。500ccクラスとサイドカークラスは実施されませんでしたが、その他のクラスでは白熱したレースが繰り広げられ、数々のドラマが生まれました。

50ccクラスでは、ディフェンディングチャンピオンであるハンス＝ゲオルグ・アンシャイト選手がマシントラブルに見舞われ順位を落とす中、スズキの伊藤光夫選手が優勝を飾りました。2位にはスチュアート・グラハム選手、3位には河崎裕之選手と、スズキ勢が表彰台を独占するという結果となりました。5位にはデルビのバリー・スミス選手が入りました。

125ccクラスでは、スズキの新型4気筒エンジンを搭載したRS67を駆るスチュアート・グラハム選手を相手に、ヤマハのビル・アイビー選手が優勝しました。グラハム選手の強力なライバルを抑えたアイビー選手の勝利は、ヤマハの技術力の高さを示すものとなりました。

最も注目を集めたのは250ccクラスでした。チャンピオンシップを争うフィル・リード選手とマイク・ヘイルウッド選手は、リード選手がドライブシャフトトラブル、ヘイルウッド選手がエンジントラブルにより、レース序盤でリタイアを余儀なくされました。この結果、ラルフ・ブライアンズ選手が優勝を収めました。レース終了時点で、リード選手は56ポイント、ヘイルウッド選手は54ポイントを獲得。有効ポイントが50ポイントで同点となり、タイトル争いはFIM（国際モーターサイクリズム連盟）による最終的な判断を必要とする事態となりました。FIMは10月末に会議を開き、ヘイルウッド選手が5勝、リード選手が4勝という戦績を考慮し、最終的にヘイルウッド選手にタイトルが授与されました。

350ccクラスでは、MVアグスタの欠場により、ヘイルウッド選手が優勝しました。イタリア勢では、アエルマッキのジルベルト・ミラーニ選手が250ccクラスと350ccクラスで共に5位に入賞。アルベルト・パガーニ選手は125ccクラスから撤退しました。

この1967年の日本グランプリは、その後、実に20年後の1987年まで開催されることはありませんでした。この期間、日本のモータースポーツシーンは大きな変化を遂げることとなり、1987年の日本GP復活は、日本のモータースポーツ界にとって新たな時代の幕開けを告げるものとなりました。今回のレース結果だけでなく、この20年間の空白期間も考慮すると、1967年の日本GPは、日本のモータースポーツ史において重要な位置を占める出来事であったと言えます。各クラスの詳しい結果は、当時のレースレポートや専門誌などを参照ください。

もう一度検索