1967年最高裁判所裁判官国民審査

1967年最高裁判所裁判官国民審査

1967年1月29日、衆議院議員総選挙と同時に実施された最高裁判所裁判官に対する国民審査は、その年の重要な政治的イベントの一つでした。この国民審査では、7人の最高裁判所裁判官を対象として行われ、最終的に全員が罷免されない結果となりました。投票率は72.53%という高い数字を記録しました。

総論

国民審査は日本の司法制度において重要な役割を果たしており、国民が司法権の行使を監視するための一つの手段とされています。1967年の審査では、最高裁長官の横田正俊を含む7名の裁判官に対する評価が行われました。彼はその前に最高裁判事として1963年に国民審査を受けた経験がありましたが、長官として改めて評価することについては議論が持たれました。

自治省が内閣法制局に相談したところ、内閣法制局は最高裁判官である彼が長官に任命されても、その職責に変わりがないと説明しました。そのため、あらためて国民審査に付す必要はないとの見解を示しました。

国民審査の結果

最終的に、1967年の国民審査では、すべての裁判官が罷免されない結果となりました。これは、国民がこれらの裁判官に対して信任を与えたということを意味します。この結果は、裁判官たちがその職務を適切に遂行していると国民が評価したことを示しています。

国民審査の目的は、司法の独立性を保ちながらも、国民が裁判官の職務について意見を持つことができる仕組みを提供することです。このような制度により、国民は裁判官の判断や行動を直接評価することが可能となり、司法に対する市民の関心を高める効果があります。

参考文献

1. 西川伸一『最高裁裁判官国民審査の実証的研究　「もうひとつの参政権」の復権をめざして』、五月書房、2012年1月27日。
2. 野村二郎『最高裁全裁判官　人と判決』、三省堂、1986年9月。

この歴史的な国民審査は、日本の司法制度の透明性と国民参加の重要性を象徴するものであり、今後も続いていく審査制度の一環として位置づけられています。

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