1967年東京都知事選挙

1967年東京都知事選挙の概略

1967年4月15日に行われた東京都知事選挙は、第6回統一地方選挙の一部分として実施されました。この選挙では、美濃部亮吉が候補者として登場し、革新派として当選を果たしました。その政治的背景や候補者の運動、さらには文化人や著名人の支持活動など、多くのドラマが繰り広げられました。

1966年 - 1967年の状況

選挙に先立つ1966年、総評議長の太田薫が都知事選への出馬を表明したことから、選挙戦の幕が上がります。しかし、当初は彼は特に右派からの反対に直面し、その結果として自らの出馬を撤回しました。公明党も同年に現知事の東龍太郎の3選を支持しない意向を示し、新たな候補者を模索し始めます。

候補者の立候補

その後、文化人や学者たちから強い要請を受けて美濃部亮吉が出馬を決意。彼は早い段階から自身の立場を明確にし、候補者の中でも特に革新政権の実現を目指す姿勢を強調しました。2月頃には、各党間での候補者選定が進む中、民社党、社会党、公明党がそれぞれの候補者を擁立することになり、選挙戦が加熱していきました。

美濃部が名乗りを上げると、それに対抗する形で自民党は鈴木俊一を推すなど候補者が混在する状況が続きました。最終的には松下正寿が自民党推薦として名乗りを上げ、引き続き選挙戦が激しくなりました。

文化人の応援

この選挙では、特に文化人や著名人の応援が目立ちました。美濃部の選挙活動には手塚治虫や吉永小百合など、多くの著名人が賛同を表明し、選挙カーでの演説や自宅前に推薦文を張り付けるなど、様々な形で支持を表しました。特に手塚治虫の描いたパンフレットは目を引き、多くの支持を集めました。

一方、自民党の松下もまた、幅広い著名人の支持を受ける形で選挙を戦いましたが、著名人表を前面に出さない姿勢が影響し、美濃部の応援の勢いに押される結果となりました。

選挙戦の展開

選挙戦はさらに盛り上がり、4月21日には告示が行われ、10名が立候補しました。投票率は67.49%で、女性の投票数が男性を上回るなど注目される結果となりました。開票が行われると、途中までは松下がリードし続けるも、最終的には美濃部が逆転勝利を収めました。

美濃部は「東京に青空を」というキャッチフレーズのもと、清新な都政の実現を訴え、特に「アトムパンフ」として親しみのあるイメージを色濃く打ち出しました。結果、美濃部は当選を果たし、東京都初の革新知事が誕生しました。

選挙結果

1967年の東京都知事選挙では、美濃部のバックには強力な支持基盤があり、自民党の松下が総動員した分厚い応援を上回る結果につながりました。選挙後の世論調査では美濃部がリードしていたものの、最後まで自民党陣営は勝利を信じていましたが、現実には大きな逆転劇を迎えました。この選挙は、都政における大きな変革をもたらし、東京都政の歴史を大きく変えたといえます。

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