1969年NFLチャンピオンシップゲーム

1969年NFLチャンピオンシップ：ミネソタ・バイキングスの勝利

1970年1月4日、ミネソタ州ブルーミントンのメトロポリタン・スタジアムで行われた1969年NFLチャンピオンシップゲームは、アメリカン・フットボール・リーグ（AFL）とナショナル・フットボール・リーグ（NFL）の統合前、最後のNFL王者決定戦として歴史に刻まれました。東カンファレンスのクリーブランド・ブラウンズと西カンファレンスのミネソタ・バイキングスが、栄光をかけて激突しました。

試合前の状況

クリーブランド・ブラウンズは2年連続、1960年代では4回目のチャンピオンシップ出場を果たしました。しかし、前年のチャンピオンシップではボルチモア・コルツに0-34で大敗を喫していました。一方、ミネソタ・バイキングスは12勝2敗という好成績でレギュラーシーズンを終え、ウェスタンカンファレンスを制覇。ニューヨーク・ジャイアンツとの開幕戦で1点差で敗れた後、12連勝を飾るなど、圧倒的な強さを見せつけました。

試合の展開

試合当日、気温は-13℃、体感温度は-21℃という過酷なコンディションでした。そんな中、バイキングスは序盤から圧倒的な力を見せつけます。第1クォーター早々、QBジョー・キャップのランで先制点を奪うと、その後もWRジーン・ワシントンへの75ヤードのTDパスなどで追加点を重ね、17-0と大きくリードしました。ブラウンズは攻撃でなかなかリズムに乗れず、RBリロイ・ケリーのファンブルからピンチを広げるなど、ミスも目立ちました。

第2クォーターもバイキングスの勢いは止まらず、RBデイブ・オズボーンのTDランなどでさらにリードを広げ、前半を24-0で折り返しました。ブラウンズも反撃を試みましたが、得点を奪うことができませんでした。後半に入ってもバイキングスはFGで得点を重ね、27-0とさらに差を広げました。ブラウンズは第4クォーターにようやくTDを奪いましたが、反撃もそこまで。試合は27-7でバイキングスが勝利し、第4回スーパーボウルへの出場を決めました。

試合のハイライト

バイキングスのエースQBジョー・キャップは、パスで169ヤード、ランで57ヤードを獲得する活躍を見せました。
WRジーン・ワシントンは、3回のレシーブで125ヤード、1TDを記録しました。
RBデイブ・オズボーンは、18回のランで108ヤード、1TDをあげました。
バイキングスのディフェンスは、ブラウンズの攻撃をわずか7点に抑え込みました。

両チームのキープレイヤー

ミネソタ・バイキングス

QB：ジョー・キャップ
WR：ジーン・ワシントン
RB：デイブ・オズボーン
DT：カール・エラー
DT：アラン・ペイジ

クリーブランド・ブラウンズ

QB：ゲイリー・コリンズ
WR：ポール・ウォーフィールド
RB：リロイ・ケリー

試合後の影響

バイキングスは第4回スーパーボウルに出場しましたが、カンザスシティ・チーフスに7-23で敗れました。しかし、この年のバイキングスはNFLフィルムズによって、スーパーボウルで優勝できなかったチームのベスト5に選ばれるなど、その強さは高く評価されました。一方、敗れたブラウンズは、この試合を最後にNFLのトップチームとしての地位を失っていきました。

1969年NFLチャンピオンシップは、バイキングスの圧倒的な強さと、極寒のコンディションが重なり、記憶に残る試合となりました。また、AFLとNFLの統合前に行われた最後のチャンピオンシップとして、アメリカンフットボールの歴史においても重要な意味を持つ一戦です。

もう一度検索