1972年の映画

1972年の映画界の動向

1972年は日本でも映画界に大きな変革が起きた一年でした。この年には多くの観客を魅了した作品や事件が起こり、映画業界の動きが活発でした。特にアメリカからの影響が顕著で、多くの人々の記憶に残る映画が公開されています。

世界の映画界

最初に注目されるのは、1月に公開されたハードコアポルノ映画『ディープ・スロート』です。この作品は、主演のリンダ・ラヴレースの名により話題を呼び、一般館で上映されるやいなや大ヒットとなりました。これにより、映画界には新たな議論が巻き起こることとなりました。

続いて3月14日、フランシス・フォード・コッポラ監督による『ゴッド・ファーザー』がニューヨークでプレミア上映され、その後全世界で大ヒットを記録します。この作品は、アメリカ映画界における金字塔として位置づけられ、その影響は現在に至るまで色濃く残っています。

また、7月26日にはMGMと20世紀フォックスが合併を発表し、配給の再編成が進められました。この動きは映画配給の構造にも影響を与えました。

日本の映画界

一方、日本では1月に日活ロマンポルノ作品がいくつか上映され、これに対して警視庁が猥褻容疑で押収するという事件が発生しました。この「日活ロマンポルノ事件」は、当時の映画倫理についての議論を引き起こしました。

映画館の数は全国で2974館と、前年比272館減少し、2億1675万人の入場者数を記録しました。また、興行収入も792億8000万円と、前年比96.1%の微減となりました。

東京・新宿の映画館の閉館や、大映第一フィルムが元の名称に改称するなど、映画界の動きはさまざまです。特に三和興行が行った映画館閉館のニュースは多くのファンに衝撃を与えました。

ヒット作品

1972年の日本映画の中で特に成功した作品には、東宝系で公開された『座頭市御用旅』と『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』があり、これらは多くの観客を動員しました。さらに、3月16日には記録映画『札幌オリンピック』が東宝によって全世界配給される契約が締結され、映画の国際化が進展しました。

映画料金と興行収入

この年、映画館の大人の入場料金は700円から800円で、邦画封切館での最も高い料金が設定されていました。しかし、全体として映画観客数は減少傾向にあり、業界の収益に影響を与えていました。入場者数は約1億8739万人で、興行収入は769億7100万円に留まりました。

映画賞と受賞状況

1972年の映画界では、アカデミー賞やゴールデングローブ賞での受賞も大きな話題となりました。特に『ゴッド・ファーザー』は作品賞を受賞し、その存在感は際立っていました。

総まとめ

1972年の映画界は、革新的な作品や重要な映画イベントが続出した年でした。この時期を通じて、映画がもたらす社会的影響や変革が一層顕在化し、次世代への影響をもたらす重要な基盤が構築されていったのです。

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