子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる

映画『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』について

1972年に公開された『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』は、時代劇漫画の金字塔『子連れ狼』を原作とした初の映画作品です。主演は若山富三郎、監督は三隅研次が務め、勝プロダクションが制作を担当しました。原作の持つ独特な世界観とバイオレンス描写を、見事に映像化した作品として高く評価されています。

あらすじ

主人公は、かつて公儀介錯人という要職にあった拝一刀。しかし、裏柳生一族の陰謀によって一族を惨殺され、自身も謀反の罪を着せられてしまいます。切腹を命じられるも、それに従わず、息子の大五郎と共に刺客として生きる道を選びます。

乳母車に大五郎を乗せ、「子を貸し腕貸しつかまつる」と書かれた旗指物を背負い、街道を旅する拝一刀。彼は、裏柳生への復讐を胸に、刺客として様々な依頼をこなしていきます。そんな中、壬生藩家臣・市毛刑部から藩政を壟断する奸臣・杉戸監物の暗殺を依頼され、悪党がはびこる郷森宿へと向かいます。

スタッフ

製作：勝新太郎、松原久晴
原作：小池一雄、小島剛夕
脚本：小池一雄
監督：三隅研次
助監督：辻光明
撮影：牧浦地志
音楽：桜井英顕
美術：内藤昭
録音：林土太郎
照明：美間博
編集：谷口登司夫

キャスト

拝一刀：若山富三郎
柳生備前守：渡辺文雄
柳生蔵人：露口茂
柳生烈堂：伊藤雄之助
杉戸監物：内田朝雄
市毛刑部：内藤武敏
戸波弾正：加藤嘉
お仙：真山知子
拝大五郎：富川晶宏
拝薊：藤田佳子
おみね：笠原玲子
官兵衛：関山耕司
紋之助：松山照夫
公儀正使：伊達三郎
しがらみ丹波：波田久夫
尾見：守田学哉
ナレーター：小林昭二
堀井：和崎俊也

作品の魅力

本作の魅力は、何と言っても若山富三郎演じる拝一刀の圧倒的な存在感です。無口で冷静沈着ながらも、内に秘めた復讐心と息子への愛情を、見事に体現しています。また、三隅研次監督によるダイナミックな殺陣シーンや、時代劇ならではの重厚な雰囲気が、作品に深みを与えています。

原作の持つ独特な世界観を忠実に再現しつつ、映画ならではの演出を加えており、原作ファンはもちろん、時代劇ファンも楽しめる作品です。大ヒットを記録し、続編が製作されたことからも、その人気ぶりがうかがえます。

その他

同時上映作品は、若山富三郎の実弟である勝新太郎が主演を務めた『座頭市御用旅』でした。

また、本作品は、後に続く『子連れ狼』シリーズの原点であり、若山富三郎版『子連れ狼』の第一作目にあたります。

外部リンク

子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる 東宝公式サイト
子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる - allcinema
子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる - KINENOTE
子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる - オールムービー（英語）
子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる - IMDb（英語）

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