1972年自由民主党総裁選挙

1972年自由民主党総裁選挙の概要

1972年7月5日に行なわれた自由民主党の総裁選挙は、日本政治の重要な転換点となりました。この選挙は、田中角栄、三木武夫、大平正芳、福田赳夫の四人の候補者による激しい競争が展開され、角福戦争と呼ばれる一連の政争の幕開けとなったのです。

背景

この選挙の背景には、佐藤栄作内閣のもとで続いた「1強、4弱、1風来坊」という党内の力関係がありました。佐藤は党内を巧妙に操っていましたが、1971年6月に沖縄返還協定が成立した後、自らの後継者を模索するようになりました。その中で、彼は早くから福田を後継者として考えていました。

1972年に入ると、ポスト佐藤を巡る動きが急速に活発化しました。特に、田中角栄は佐藤派の議員の大半を引き連れ、新たに派内派を結成しました。これにより、党内の派閥間の対立が顕在化し、選挙戦の火蓋が切られました。

選挙の進展

大平は福田に対して総裁選出馬を通告し、福田の不安を一時的に解消させます。しかし、選挙戦が進むにつれ、各派の領袖たちが立候補する見込みとなりました。6月17日には佐藤首相が退陣を表明し、その後、福田と田中に立候補を促しますが、田中は大平との連携を模索する状況となりました。

前評判では福田が優位と見られていましたが、選挙直前に中曽根康弘が不出馬を表明したことで、田中支持が報じられました。この時、田中陣営は自信満々に投票結果を予想しました。

投票結果

7月5日、日比谷公会堂で行われた臨時大会での投票結果は田中が156票、福田が150票という僅差でした。この結果により、田中は福田とともに決選投票に進むことになり、田中派の戦略が活かされることになりました。決選投票の結果、田中は282票を獲得し、新総裁に就任しました。

新たな政権への移行

7月7日、田中は内閣総理大臣として新しい政権をスタートさせ、この時に田中派は「七日会」として正式に組織化しました。この選挙を経て、日本の政界は大きな変革を迎えることとなり、田中のもとでの新たな時代が始まりました。これにより、党内の力関係や政策投追が大きく変わったことが、その後の日本政治に影響を及ぼすことになります。

結論

1972年自由民主党総裁選挙は、単なる党首選にとどまらず、政治の流れを変える重要な出来事でした。田中角栄の台頭により、彼のリーダーシップのもと、政治的な争いが続く時代が開かれたのです。

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