1973年の中日ドラゴンズ

1973年の中日ドラゴンズのシーズン振り返り

1973年の中日ドラゴンズは、与那嶺要監督の2年目のシーズンとなりました。この年のチームは、前年のシーズンを3位で終え、まずまずのスタートを切っていました。与那嶺監督はさらなるチームの強化を図り、ボビー・テーラーとジミー・ウィリアムという2人の外国人選手を新たに迎え入れ、さらに広島から井上弘昭をトレードで獲得しました。

開幕オーダーは前年のレギュラーとして定着した大島康徳が1番に入り、3番にテーラー、4番にウィリアム、そして5番には谷沢健一が起用される形でスタートしました。この年は、前年8連覇を達成した巨人が開幕から勝ち頭でない展開を見せたため、中日ドラゴンズは前半戦で大洋や広島と共に首位を争う好位置につきました。特に、大島は安定した打撃を見せ、チームを牽引しました。

しかし、後半戦になると、主力選手の打撃が不振に陥り、大島、高木守道、井上といった選手たちが思うように打てなくなってしまいました。さらに、エースの星野仙一や稲葉光雄の調子も夏場に落ち込み、連敗が続く苦境に陥りました。8月30日には阪神戦で江夏豊からのノーヒットノーランを許し、さらにサヨナラホームランを浴びてしまう試合もありました。この結果、8月の成績は7勝15敗と大きく負け越しました。

9月1日のヤクルト戦でもサヨナラ負けとなり、巨人や阪神との接触での戦いが厳しい状況が続きました。結局、0973年のシーズンは巨人と阪神との接戦の中、9連覇を果たす巨人に対してわずか1.5ゲーム差の3位で終了しました。

投手陣では、星野が16勝を挙げ、松本幸行が14勝、渋谷幸春が11勝、先発4番手の三沢淳が10勝と好成績を収めました。しかし、稲葉や水谷寿伸が期待外れの6勝に終わることもありました。それでもチーム全体の防御率は2.98で、全体では3位の成績を残しました。

打撃陣では、高木が28盗塁で盗塁王に輝き、谷沢健一は打率ベスト10で3位に入る活躍を見せ、チームは巨人に次ぐ441得点を記録しました。カード別の成績を見ると、巨人に対しては16勝10敗で勝ち越しましたが、阪神戦では9勝13敗4分と苦手意識が影響し、大洋や広島にも負け越すなど、課題の残る試合も多かったことが伺えます。

このように、中日ドラゴンズの1973年シーズンは、序盤に期待を抱かせる活躍を見せつつも後半の厳しい戦いが印象に残る、波乱万丈のシーズンとなりました。

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