1976年の中日ドラゴンズ

1976年の中日ドラゴンズの振り返り

1976年の中日ドラゴンズは、与那嶺要監督の指揮する5年目のシーズンでした。この年のチームは、前年の広島カープの初優勝を受けて、リーグ2位という結果に終わっています。しかし、今シーズンはその悔しさを晴らすことができず、幾つかの課題が目立つこととなりました。

シーズン概要

この年の中日ドラゴンズは、主に前年からの戦力を維持しつつ、田尾安志という新しい選手が入団しました。開幕前には、優勝候補の筆頭として期待されていましたが、実際のシーズンが始まると好調な打撃陣とは裏腹に、投手陣の調子が思わしくないという苦しい展開が続きました。

4月の時点で、チームは首位の読売ジャイアンツに6ゲーム差の3位に位置していました。5月以降の巻き返しを試みましたが、成績は8勝13敗1分に留まりました。その結果、前年の最下位から立ち直りを図るジャイアンツや阪神タイガース、さらには広島としのぎを削り合う状況にはなりませんでした。

特に、後楽園球場が人工芝に変更されたことが影響し、巨人戦では0勝12敗1分という屈辱的な結果を残し、対巨人戦での戦績は7勝18敗1分でした。この誤算が、最終的には中日ドラゴンズが優勝を狙うチャンスを大きく削ぐ要因となりました。

投手陣の状況

投手陣では、エースの星野仙一が8月に故障するアクシデントが発生しました。しかし、鈴木孝政が抑えとして奮闘し、最多セーブや最優秀防御率という二冠を獲得しました。鈴木は星野の穴を埋める重要な役割を果たしましたが、他のリリーフ陣は振るわず、チームの防御率は4.50、さらに被本塁打は199本とリーグ最下位でした。このような状況も、チーム全体の成績に大きく影響しました。

打撃陣の成績

打撃面では、ルーキーの田尾が外野の控えとしてまずまずの成績を収め、新人王の栄冠を手にしました。しかし、前年の原動力だったローン・ウッズをはじめ、多くの主力選手が故障に見舞われました。これにより、チームの本塁打数はリーグ5位、盗塁数も50個で5位と、機動力が不足していることが顕著に表れました。

シーズンの総括

このような状況を経て、最終的に中日ドラゴンズは、優勝した巨人から21.5ゲーム、3位の広島に対しても7.5ゲーム差をつけられ、1970年以来のBクラスに沈む結果となりました。シーズン終了後には、2番手エースの稲葉光雄と三塁手の島谷金二が阪急へトレードされるなど、チームは再編成への道を歩むことになりました。

1976年の中日ドラゴンズは、期待に応えられず苦しいシーズンを経験しましたが、これを教訓に次のシーズンでの飛躍が期待されることでしょう。

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