1979年の映画

1979年の映画

1979年は映画界にとって特別な年でした。国内外で様々な作品が公開され、多くの出来事が映画産業に大きな影響を与えました。この年を振り返り、映画の動向や興行成績、重要な出来事を詳しく見ていきます。

海外の主な出来事

米国では、1978年12月に公開された『スーパーマン』が8100万ドルの配給収入を達成し、1979年の配給収入で1位を獲得しました。その後、2月には第29回ベルリン国際映画祭でマイケル・チミノ監督の『ディア・ハンター』が共産圏の反対により上映中止となりました。

一方、4月には深作欣二監督の『宇宙からのメッセージ』がパリ国際SFファンタジー映画祭で評価を得るなど、国際的にも注目される作品が生まれました。さらに、6月11日には西部劇のスター、ジョン・ウェインが72歳で他界しました。

8月28日には第11回モスクワ国際映画祭にて黒澤明監督やルネ・クレール監督が特別名誉賞を受賞し、日本映画の国際的な評価が高まりました。また、同映画祭でアニメーション映画『龍の子太郎』が銀賞を受賞し、国内外でのアニメーションの地位向上に寄与しました。

日本の映画界の動向

日本では、多くの映画が公開され、特に『燃える秋』が注目を集めました。1月20日に一般公開されたこの作品は、藤本真澄プロデューサーの最後の作品でした。また、にっかつは本社を赤坂に移転し、新たなスタートを切りました。

3月には、にっかつが新人女優オーディションを開催し、571人が応募しました。これにより、多くの新しい才能が映画界に登場することとなります。さらに、3月3日には東宝とNTVが共同出資した『ベルサイユのばら』が公開され、話題となりました。これは日本の映画界における外国製映画への挑戦ともいえる作品でした。

その後の6月には、クリストファー・リーヴ主演の『スーパーマン』が日本でも公開されました。6億円という巨額の宣伝費が投じられましたが、日本の興行成績は期待には届きませんでした。この年は、若干の波乱がありながらも、数々の名作やヒット作が生まれた年でした。

映画興行の状況

1979年の日本映画の入場者数は1億6509万人で、興行収入は1581億7700万円という数値を記録しました。入場料金は一律1300円であり、映画を観ることが一般的な娯楽として定着していました。家庭用ビデオテープレコーダーの普及率は2.0%で、これからビデオレンタルが増加する前触れともいえます。

重要な受賞や出来事

1979年、映画界の大きな受賞としては第52回アカデミー賞で『クレイマー、クレイマー』が作品賞を受賞し、ロバート・ベントンは監督賞を獲得しました。同作は、主演男優賞や主演女優賞も受賞し、記憶に残る作品となりました。

日本映画界も負けず劣らず、多くの作品が高く評価されました。3回目の日本アカデミー賞では、最優秀作品賞を今村昌平監督の『復讐するは我にあり』が受賞しました。

誕生と死

1979年には多くの俳優や声優が生まれました。特に田中理恵や賀集利樹、クレア・デインズなど、後に活躍することとなる人物たちが誕生しました。また、一方では名監督や俳優たちがこの年に他界し、映画界に多大な影響を与えました。ジョン・ウェインやディミトリー・ティオムキンなどの逝去は、映画愛好者にとって大きなショックとなりました。

結論

1979年は映画界にとってのターニングポイントであり、国内外ともに多くの出来事がありました。新たな才能の登場や名作の公開、多くの受賞がこの年の映画界を彩ったのです。その影響は、後の映画文化にも大きく反映されることとなります。

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