1979年の西武ライオンズ

1979年の西武ライオンズ

1979年の西武ライオンズは、所沢に移転して初のシーズンを迎えました。この年は根本陸夫監督にとって2年目のシーズンでありながら、成績は思わしくありませんでした。

チーム編成と選手獲得

1977年のドラフトで江川卓の指名権を獲得したクラウンライターですが、球団の買収後、最終的には日本選手権優勝経験のある巨人に江川が入団してしまいました。この影響もあり、西武は即座にチーム改編に着手しました。

阪神からは田淵幸一と古沢憲司をトレードで獲得し、ロッテからは野村克也を自由契約で迎え入れました。また、山崎裕之もトレードで加えられ、補強が進みました。ドラフトでは4球団が指名した森繁和を獲得し、さらには松沼兄弟（博久・雅之）もチームに加えられるなど、編成に大胆な変更が行われました。

開幕前と開幕戦の苦悩

親会社が西武鉄道に変わったものの、チームは様々な選手が集まった状態でした。春季キャンプはアメリカ・フロリダ州ブレイデントンで行われましたが、なんとMLBのチームに施設を使用されてしまい、十分な練習ができませんでした。試合は一度も行わないまま帰国し、日本でのオープン戦も組めずにスタートしました。

その影響は開幕から顕著で、西武は引き分けを挟みつつ12連敗という信じがたい成績を残しました。これは1955年のトンボユニオンズと並ぶ屈辱的な記録であり、未勝利で14試合を終えるというのはNPB史上最悪の記録となりました。開幕の12連敗は、たった2つの引き分けを含んでいたものの、チームの状況を象徴するものでした。

シーズン途中の出来事

チームは開幕12連敗を乗り越えることができず、その後も低迷を続けましたが、4月24日にはようやく移転後初勝利を収めた日もあります。この日は新人の松沼博久がプロ初勝利を記録し、ファンには嬉しい瞬間となりました。

5月24日付けの時点では、西武ライオンズはパ・リーグの中で最も成績が低く、勝率はわずか.211でした。選手間のトレードも頻繁に行われ、6月21日には日本ハムとの交換トレードが決まり、夏に向けて更なる再編成が試みられました。

シーズンが進むにつれ、西武は何とか後期に5位に順位を上げるなどの努力も見せましたが、全体としては低迷の印象が強く残る結果となり、最下位でシーズンを終えることとなりました。

観客動員と球団歌

この年の観客動員は136万5000人に達し、パ・リーグでは1962年以来の規模の多くのファンが球場に駆け付けました。しかし、チームの成績には不満が多く、ファンの熱が冷めることもありました。また、この年から松崎しげるが歌う新しい球団歌「地平を駈ける獅子を見た」が採用され、球団としての新しい象徴が生まれました。

結論

1979年の西武ライオンズは、新しい環境でのスタートを切るも、開幕前からの不運やチーム編成の課題により、残念ながらシーズンを低迷で終えてしまいました。次のシーズンへの期待に胸を膨らませる中、どのようにチームが立て直されるのか、注目が集まりました。

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