1980年の中日ドラゴンズ

1980年の中日ドラゴンズのシーズン振り返り

1980年の中日ドラゴンズは、監督・中利夫の3年目のシーズンでした。この年、ドラゴンズは前年のAクラス入りを受けて、優勝争いへの期待が高まっていました。しかし、シーズンのスタートで見せたパフォーマンスはファンの期待を大きく裏切るものでした。

シーズンは開幕からの6連敗で始まり、その後も波に乗れず再び6連敗を喫するなど、成績は非常に苦しいものでした。最終的にチームは最下位に沈んでしまい、慢性的な故障が続出した選手たちもその原因となりました。エースの星野仙一には衰えが見え始め、若手投手の藤沢公也は開幕から9連敗を記録、6月にようやく勝利を挙げるものの、その勝利が唯一のものでした。また、三沢淳が8勝を挙げるものの、他の投手は思うように勝ち星を積むことができませんでした。

打撃陣では前年の正遊撃手・宇野勝が開幕前に故障し、大島康徳が交通事故に遭うなど、更なる打撃低迷を招く要因となりました。特に、前年チームに貢献した外国人選手、ウェイン・ギャレットとボビー・ジョーンズが共に打撃不振に苦しむ中、8月にはふたりとも解雇されてしまいます。チーム内では首位打者となった谷沢健一が存在感を示しましたが、全体的には田尾安志と木俣達彦以外は非常に厳しい状態でした。特に盗塁数はリーグ最下位となり、打撃成績もどうにも改善し条件には程遠いものとなりました。

さらに、この年のドラゴンズは8月に10連敗を経験し、優勝を果たした広島に30ゲーム差をつけられる不甲斐ない結果となりました。結果的に中利夫監督は解任され、一軍コーチのほとんどが退団し、次のシーズンへの不安を抱えることとなります。ただし、シーズンの終盤にはルーキー・牛島和彦がようやく昇格し、プロ入り初勝利を挙げるなどの明るいニュースもありました。

対戦成績を見ても、5位阪神には13勝13敗と互角に渡り合えたものの、広島との対戦成績は4勝20敗と大きな負け越しを記録。こうした成績は、優勝を決めた広島にとっては大きな手助けとなってしまいました。この失敗されたシーズンを踏まえ、来季への再建・改革が求められる年となりました。中日ドラゴンズは1980年シーズンを通じて多くの試練と課題を体験することになりましたが、未来への希望の兆しも見えた年でもありました。

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