藤沢公也

藤沢 公也の軌跡

藤沢公也（ふじさわ きみや）は、1951年11月29日に生まれた愛媛県西宇和郡伊方町出身の元プロ野球選手であり、投手として日本プロ野球の歴史に名を刻みました。彼の野球人生は、数回のドラフト指名を経て中日ドラゴンズに入団するという特異な道のりを辿ります。

学生時代・社会人野球

藤沢は中学1年生の時に陸上競技から野球に転向し、八幡浜高でエースとして活躍しました。高校時代の1968年には、県大会準決勝で八幡浜工を完封し、名を馳せます。しかし、秋季四国大会では惜しくも初戦で敗退。その後も夏の甲子園県予選で松山商に敗れた経験を持っています。

高校卒業後は1970年に日本鉱業佐賀関に入社し、社会人野球に転向。1975年からは都市対抗野球に4年連続で出場し、1976年には日本選手権の決勝に進出します。この年、日本ハムファイターズからの指名を受けたものの、契約金の値下げに反発し、再び入団を拒否しました。藤沢は、アマチュア野球世界選手権日本代表にも選ばれるなど、社会人時代は数々の実績を残します。

プロ入りまでの道のり

1977年のドラフトでは中日ドラゴンズから１位指名を受けた藤沢は、初めてプロとしての挑戦に向けて意欲を示しました。彼はこの際の心境を、「プロから指名された時は不安があったが、ここの舞台でやりたいと思うようになってきた。年齢的にも今しかないと思えた」と語っています。1980年に入団し、プロキャリアが始まります。

プロ野球での活躍

プロデビューを果たした藤沢は、1979年に新人王に輝くなど、その才能を証明します。この年は、三沢淳と並ぶチームトップの13勝を挙げ、2.82の防御率で最高勝率のタイトルも獲得しました。しかし、投球においては度重なる怪我に悩まされ、1980年には1勝15敗という成績に終わります。

藤沢の投球スタイルは、スライダーとカーブが主体でしたが、プロ入り後にパームボールを習得することで、投球に幅を持たせることに成功しました。しかし、故障と制球力の低下が影響し、次第に出場機会は限られていきます。

1982年には中継ぎとしてリーグ優勝に貢献し、日本シリーズにも出場しましたが、1984年に現役を引退します。引退当時、彼の目標であった1000万円プレーヤーには届かなかったのが心残りでした。

引退後の人生

引退後は別府湾ゴルフ倶楽部で営業課長として働き、その後九州産業運輸に勤務するなど、野球一筋ではない人生を歩みました。藤沢公也の野球に対する情熱と挑戦は、彼の生涯を通じて多くの人々に影響を与え続けています。これからも、彼のような選手が次々と現れることを期待しています。

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