1980年レークプラシッドオリンピック

1980年レークプラシッドオリンピック概要

1980年2月13日から24日にかけて、アメリカのニューヨーク州にあるレークプラシッドにて冬季オリンピックが開催されました。この大会は、1932年に続いて2回目のオリンピック開催となるだけでなく、アメリカ国内での冬季オリンピックの開催が1960年のスコーバレー以来20年ぶりのこととなりました。本大会の開催までには様々な経緯が存在し、瞬く間に歴史に名を刻む大会となりました。

大会開催までの経緯

レークプラシッドがオリンピック誘致に動いたのは、1972年のデンバーの返上を受けてのことです。当初はソルトレイクシティが立候補しようとしていましたが、その後、アメリカオリンピック委員会がレークプラシッドの立候補を認め、1974年10月にはIOCの総会で開催地が決定されました。この大会では、既存の施設を最大限に活用しながら新たな施設も整備しました。特にスピードスケートを行うオリンピックアリーナなどが建設された一方、宿泊施設の不足が懸念され、観客は遠方からのアクセスを余儀なくされました。

大会のハイライト

1980年のオリンピックは、聖火リレーから始まりました。リレーはアメリカ国内を1600kmにわたって行われ、最終的にオリンピック・スケート会場に到着しました。開会式が始まる一方で、当時のアメリカ国務長官によるスピーチがモスクワオリンピックを非難する内容であったため、ソ連のオリンピック委員も開会式をボイコットしました。

この大会では、アメリカのエリック・ハイデンがスピードスケートでの5種目完全制覇を成し遂げ、特に注目されました。この記録は、当時のスピードスケート界においても画期的なもので、彼の達成によりアメリカは合計6つの金メダルを獲得しました。中でも2月22日のアイスホッケー決勝戦では、大学生で構成されたアメリカチームがソ連を破るという驚きの結果を生み出し、この試合は「氷上の奇跡」と称されることになりました。

大会の文化的背景

ハイデン選手の活躍を受けて、当時アメリカのジミー・カーター大統領が選手たちをホワイトハウスに招待する一方、ソ連選手団は当初不参加の噂もありましたが、結局参加しました。この大会は、国際的な緊張感が高まる中で開催され、特に前年のアフガニスタン侵攻が影響を与えました。イラン選手団は、国際関係の影響により参加を見送りました。

マスコットと記念すべき成果

大会のマスコット「ロニ」はアライグマをモチーフにしており、オリンピックの特色を表現しました。また、レークプラシッドオリンピックは、冬季オリンピック史上初めて中国が参加した大会でもあり、人工降雪機が初めて使用されるなど、いくつかの意味で新しい試みがなされたのです。

競技結果

この大会で目立った選手たちの中には、スウェーデンのインゲマル・ステンマルクやリヒテンシュタインのハンニ・ウェンツェル、アメリカのスピードスケート選手エリック・ハイデンが含まれています。彼らの活躍は、オリンピック大会そのものの正統性を強化し、後の世代に大きな影響を与えることとなりました。

1980年レークプラシッドオリンピックは、多くのドラマや感動的な瞬間を生み出し、冬季オリンピックの歴史に鮮烈な印象を残した大会だったと言えるでしょう。

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