1981年の阪神タイガース

1981年の阪神タイガースのシーズン概要

1981年は、阪神タイガースにとって中西太監督の2年目のシーズンでした。この年、チームは前年の5位からの巻き返しを目指しましたが、状況は厳しく、5月以降は巨人が独走する展開が続きました。他のチームは巨人を追いかける中で、阪神は6月から成績が徐々に上向くものの、2位から4位を行ったり来たりする不安定なシーズンとなりました。

主な出来事

8月26日、ヤクルト戦で江本孟紀が途中降板後に「ベンチがアホやから野球ができへん」との言葉を残し、中西監督の投手起用に苦言を呈しました。この発言が波紋を呼び、江本はその後シーズン途中に引退を表明しました。投手陣では小林繁や山本和行、ルーキーの中田良弘が中心となり、リリーフ陣には池内豊と前年ロッテから加入した福間納が存在感を示しましたが、安定した抑え投手が不在で悩まされました。

打撃陣の活躍

打撃面では、前年の怪我から復帰した藤田平と4番の掛布雅之がチームの中心となりました。特に藤田は、首位打者のタイトルを獲得し、巨人の篠塚和典との熾烈な争いを勝ち抜きました。若手選手の北村照文や吉竹春樹も台頭し、チームの成績向上に寄与しました。結果として、阪神は5年ぶりにAクラスとなる3位でシーズンを終えました。

監督交代

シーズンの終盤、特に10月11日には成績不振の責任を取る形で中西監督が辞任を表明しました。後任には広岡達朗の招聘が試みられましたが、成功せず、結局生え抜きの安藤統男が新たに監督に就任することが決まりました。

個人成績と表彰

選手たちの個人成績も注目され、藤田平は首位打者、ベストナイン、一塁手で初受賞を果たし、ダイヤモンドグラブ賞も獲得しました。また、掛布雅之は最多出塁数やベストナイン三塁手、ダイヤモンドグラブ賞を受賞するなど、各選手の奮闘が際立ったシーズンでした。

主な記録と出来事

シーズン中における主な出来事としては、藤本定義の死去や小林繁が通算100勝を達成したこと、掛布雅之のオールスターゲームでの活躍などが挙げられます。また、山本和行の試合中の満塁本塁打や江本の任意引退も特筆に値します。特に江本の発言が引き金となり、彼の選手としてのキャリアが終わりを迎えたのはシーズンの一つの大きな出来事でした。


このように、1981年の阪神タイガースは様々なドラマと結果を残した年であり、選手、監督、ファンにとって忘れられないシーズンとなるのでした。

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