1982年のオールスターゲーム (日本プロ野球)

1982年 オールスターゲーム：激闘と記録の記憶

1982年7月に行われたプロ野球オールスターゲームは、記憶に残る数々のドラマを生み出しました。前年、読売ジャイアンツを日本一に導いた藤田元司監督が全セを、パ・リーグを制した日本ハムファイターズの大沢啓二監督が全パを率い、両雄が激突しました。

試合のハイライト

第1戦では、全パの1番打者、福本豊（阪急）が初回からその快足を飛ばし、4打数4安打1四球と全打席で出塁する大活躍。見事MVPに輝きました。続く西武ライオンズ球場での第2戦では、珍記録が生まれます。全セが5対4と1点リードで迎えた7回表、斉藤明夫（大洋）が登板。しかし、2死1,2塁から代打の平野光泰（近鉄）に同点打を浴びてしまいます。ここから斉藤は気を取り直し延長11回まで、なんと5イニングを投げ抜きました。これは球宴史上最多投球回記録として、今も破られていません。試合はそのまま引き分けに終わりました。

第3戦もまた、手に汗握る展開となりました。4回から2対2の同点が続き、延長戦に突入するかと思われた7回表、全セが1点を勝ち越します。定岡正二（巨人）、山本和行（阪神）がこの1点のリードを守りきり、接戦を制しました。この試合では、オールスターゲーム史上初のトリプルプレーも記録されました。7回の全パの攻撃、無死1、3塁の場面で大宮龍男（日本ハム）がショートゴロを放ちます。6-4-3とボールが渡り、併殺が完成。その間に三塁ランナーの島田誠（日本ハム）が本塁に突入しますが、タッチアウト。劇的なトリプルプレーとなりました。

この結果、3試合制のオールスターゲームは1勝1敗1分のタイで終了。これは史上初の珍事でした（2013年にも同様の記録）。

テレビ・ラジオ中継

当時の熱狂を伝えるテレビ・ラジオ中継も、豪華な顔ぶれが揃いました。

テレビ中継では、テレビ朝日、TBSテレビ、毎日放送が熱戦の模様を передавал。解説には稲尾和久、野村克也、張本勲といったレジェンドたちが登場。試合を盛り上げました。

ラジオ中継も、NHKラジオ第1、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送などが実況生中継。鶴岡一人、高田繁、金田正一など、豪華解説陣が試合の裏側を語りました。ニッポン放送では、ゲスト解説として関根潤三（大洋監督）やビートたけしが登場し、話題を呼びました。

特記事項

長年、日本選手権シリーズとオールスターゲームの放映権を獲得してきた日本テレビが、この年初めてその両方の中継権を失ったことも、当時としては大きなニュースでした。

まとめ

1982年のオールスターゲームは、記録と記憶に残る名勝負となりました。福本豊の鮮烈な活躍、斉藤明夫の熱投、史上初のトリプルプレー、そして初のタイ決着。数々のドラマが、プロ野球ファンを熱狂させました。当時のテレビ・ラジオ中継を振り返ることで、あの頃の興奮が鮮やかに蘇ります。

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