1982年の中日ドラゴンズ

1982年の中日ドラゴンズのシーズンレビュー

1982年の中日ドラゴンズは、近藤貞雄監督にとっての2年目のシーズンでした。この年のドラゴンズは、開幕戦から厳しいスタートを切りました。先発に起用された小松辰雄が試合中に内転筋を痛め、すぐに登録を抹消されるというアクシデントが発生しました。このような困難にもかかわらず、チームは5月以降に強豪の巨人や広島と首位争いを繰り広げました。

投手陣は鈴木孝政が先発として活躍し、都裕次郎、三沢淳、郭源治と共に安定したローテーションを形成しました。救援陣では小松と牛島和彦のダブルストッパーがチームを支え、最終的にチーム防御率は3.27となり、リーグで2位を記録しました。

打撃陣では、1982年に入団したケン・モッカとレギュラーに定着した平野謙が中心となり、田尾安志や谷沢健一、大島康徳、中尾孝義などがサポートしました。特に田尾は好調を維持し、大洋の長崎啓二との首位打者争いを展開。また、中尾は多くの殊勲打を放つなど、MVPにも選ばれました。結果、チームの本塁打は143本でリーグ1位を達成しました。

9月28日の巨人戦では、2対6でリードされていた9回に劇的な逆転劇が繰り広げられます。江川卓を打ち込んで同点に追いつき、最後は大島がサヨナラ打を放ってチームに勝利をもたらしました。この試合により優勝マジックが12に点灯しました。

その後、10月18日に行われた大洋との優勝決定試合では、長崎が首位打者を守るために田尾を5打席連続で敬遠される不運に見舞われました。しかし、この作戦が結果的に中日打線に火をつけ、8点を挙げる快勝を収めました。この試合で小松は開幕以来の先発として2安打完封を達成し、1974年以来8年ぶりのリーグ優勝を果たしました。

日本シリーズでは、パ・リーグの西武と28年ぶりに対戦することになりますが、先発投手陣の不調や偶然の「石ころ事件」も影響し、結果は2勝4敗に終わります。日本一の座を奪うことは叶いませんでした。シーズン終了後には、星野仙一や木俣達彦が引退を表明し、チームの新たな時代へと移行していきました。

オールスターゲーム1982

この年、中日ドラゴンズの選手たちは監督推薦によって選ばれました。

特別な日

1982年10月18日、横浜スタジアムでの大洋戦が特に記憶に残る試合となりました。中日が勝つか引き分けの場合、ドラゴンズが優勝することが決定。同時に、田尾は日程終了時の首位打者を逆転するための重圧を背負って試合に臨みました。結果として、中日が8対0で勝利し、3度目のリーグ優勝を果たしました。選手やスタッフにとって、記念すべきシーズンとなりました。

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