1983年のイギリス・フォーミュラ3選手権

1983年イギリスF3選手権：セナとブランドルの激闘

1983年シーズン、イギリスF3選手権は3月6日のシルバーストンで開幕し、10月23日のスラクストンで幕を閉じました。この年は、F3カテゴリーで将来を嘱望される若手ドライバーたちが数多く参戦し、激しいチャンピオン争いを繰り広げたことで知られています。

セナの9連勝から始まるシーズン

この年のタイトルを獲得したのは、前年にイギリスF3にスポット参戦し、イギリスF3フォーミュラからステップアップを果たしたアイルトン・セナでした。セナはシーズン序盤から圧倒的な強さを見せつけ、9連勝という驚異的な記録を達成します。その勢いは留まることを知らず、タイトル獲得は時間の問題と思われました。

ブランドルの猛追とチャンピオン争いの激化

しかし、シーズン中盤になると、マーティン・ブランドルがセナに追いつき、ランキングトップに躍り出ます。ブランドルの追い上げは非常に勢いがあり、セナは初めて真剣なライバルと戦うことになります。両者の間には激しいチャンピオン争いが繰り広げられ、最終戦まで目が離せない展開となりました。

セナの逆転優勝と表彰台

熾烈な戦いの末、セナは再び逆転し、見事チャンピオンを獲得しました。2位にはブランドル、3位には優勝こそなかったものの安定した走りで上位をキープしたデイビー・ジョーンズが入りました。ジョーンズは後にル・マン24時間レースで優勝を果たすなど、輝かしいキャリアを築くことになるドライバーです。

将来のスターたちの競演

この1983年シーズンのイギリスF3選手権には、後に様々なカテゴリーで活躍するドライバーが多数参加していました。5位のアレン・バーグと11位のジョニー・ダンフリーズはF1ドライバーとなり、翌年のイギリスF3選手権でもチャンピオン争いを繰り広げます。6位のマリオ・ヒッテンは国際F3000やル・マン24時間で活躍し、7位のデイビッド・レズリーはル・マン24時間レースやイギリスツーリングカー選手権(BTCC)で活躍しました。4位のキャルヴァン・フィッシュも、セナやブランドルと互角に渡り合う実力者でした。

マカオグランプリ制覇

1983年は、初めてF3マシンでマカオグランプリが開催されました。このレースにはセナ、ブランドル、ジョーンズ、バーグ、ヒッテン、そして12位のデイビッド・ハントなど、イギリスF3を代表するドライバーたちが参戦し、セナが見事優勝を飾りました。これはセナにとって、F3レース初となるマカオグランプリ総合優勝でした。

ヨーロッパ選手権との合同レース

シーズン中には、ヨーロッパF3選手権との合同レースも開催されました。このレースでは、イギリスF3のドライバーは、ポイント獲得のために規制されたエイボンタイヤを使用しなければなりませんでした。このため、ブランドルはヨーロッパ仕様のタイヤを使用したため、ポイントは獲得できませんでした。このレースで最も多くのポイントを獲得したのは、アレン・バーグでした。

まとめ

1983年のイギリスF3選手権は、セナとブランドルの激しいチャンピオン争い、そして将来のモータースポーツ界を担う多くの才能が競演した、記憶に残るシーズンとなりました。この年の経験は、彼らドライバーのキャリアにおいて大きな意味を持つものだったと言えるでしょう。

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