1983年のヤクルトスワローズ

1983年のヤクルトスワローズのシーズン概要

1983年、ヤクルトスワローズは武上四郎監督の4年目を迎えました。このシーズン、チームは過去2年間のBクラスからの脱却を目指し、強化を図りました。監督は「今年こそ5割復帰を目指す」と意気込みを語り、選手補強に動きました。

主な補強として、近鉄から2番手投手の井本隆、ロッテから元守護神の倉持明をトレードで獲得しました。また、ドラフトでは早稲田実業のエース、荒木大輔を1位指名し、チームの投手陣を強化しました。打撃陣では、阪急からボビー・マルカーノが加入し、前年入団のダン・ブリッグスと共に中軸を構成しました。

シーズンが始まると、4月は5位という厳しいスタートを切りました。松岡弘や井本の調子が上がらず、チームは出足をつまずいてしまいました。しかし5月以降は、巨人と広島を除く4チームがAクラス争いに加わるなど、巻き返しを図ります。

しかし、9月に入ると再び借金生活に突入し、最終的には前年よりは借金が半減したものの、2年連続の最下位となってしまいました。この厳しい結果を受けて、シーズン終了後には大杉勝男が持病の悪化により現役を引退しました。彼はチームのアイコン的存在であり、その退団はファンにとって大きな衝撃でした。

投手陣では、梶間健一が14勝をあげ、松岡の後継エースとして期待に応えました。また、尾花高夫も11勝を記録し、6セーブを挙げる活躍を見せました。ただし、期待された荒木は1勝にとどまったものの、その1勝は5月19日の阪神戦において、途中から尾花の救援を仰いでのものでした。

打撃陣では、マルカーノが主に4番または5番を打ち、その存在が打線の活性化に繋がりました。彼の加入により、チームは打撃力を向上させましたが、シーズン全体を通じては安定した成績を残すことができませんでした。

チーム成績

レギュラーシーズンにおいては、入れ替え戦を回避することができたものの、最終順位は依然として厳しいものでした。具体的な成績については、オールスターゲームにも監督推薦で松岡、梶間、若松が選出されています。

このシーズンを通じて、ヤクルトスワローズは新たな才能や経験豊富な選手たちを迎え入れましたが、それが即結果に結びつくことはありませんでした。来るシーズンへ向けて、さらなる強化と戦略の見直しが求められていくこととなります。

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