1984年の中日ドラゴンズ

1984年の中日ドラゴンズのシーズン概要

1984年の中日ドラゴンズは、地元出身の山内一弘が新監督に就任した初年度のシーズンでした。この年、チームは前年優勝の読売ジャイアンツを追う形でスタートし、当初は地元チームとして期待が寄せられていました。特に、開幕からの展開はメディアによって注目を集めました。巨人は期待外れのスタートを切る一方で、前年2位の広島東洋カープが素晴らしいスタートダッシュを見せ、12連勝を達成しました。

しかし Dragons は5月以降、その反撃を開始しました。鈴木孝政や小松辰雄といった投手陣が好調を維持し、打撃でも前年の本塁打王である大島康徳や3割打者の田尾安志、4番に座る谷沢健一などが次々と躍動し、打線が火花を散らしました。特筆すべきは、6月29日の大洋戦での22対7という圧勝劇で、この試合はチームに勢いを与えました。

その後、ドラゴンズは6月下旬から7連勝を果たし、前半戦では広島から首位を奪取しました。この勢いで、同一カードの巨人相手に14連勝（最終的に17勝8敗1分）を記録し、前半戦を首位で折り返すことになります。しかし、シーズン終盤に差し掛かると、厳しい現実が待ち受けていました。

9月には重要な選手が次々と離脱しました。平野謙が死球を受けて戦線を離脱し、小松辰雄も不調に陥ります。さらにエースの郭源治は、9月には勝利を挙げられないという苦境に立たされました。これによってチームは苦しみ、前半戦で好調だった巨人には後半戦での集中的な負けが込むことになりました。特に、広島との直接対決では8勝15敗3分けとなり、結果として1975年以来の2位という成績に終わりました。

チーム全体としては、投手陣の新たな布陣が形成されました。小松、鈴木、郭、都裕次郎の先発投手はそれぞれ2ケタの勝利を記録しました。また、守護神の牛島和彦も健在であり、投手陣は堅実さを保っていました。

一方、打撃陣では遊撃手の宇野勝が8月には月間15本塁打を記録し、掛布雅之とともに本塁打王を分け合う活躍を見せました。大島康徳や田尾安志、谷沢健一、さらにケン・モッカといった選手たちも好成績を残し、チーム合計本塁打数はリーグ1位の191本に達しました。しかし、守備面では失策が多く、最下位の107失策を記録するなど課題も目立ちました。

シーズン中の主な出来事には、4月22日に大島康徳が通算1500試合出場を果たし、6月21日には250号本塁打を放つなどチームの躍進に貢献しました。その後も田尾安志が8月に通算1000本安打を達成するなど、選手としての成長が見られるシーズンでもありました。また、10月には宇野勝と掛布雅之の間での敬遠合戦が話題を呼びました。

このシーズンで中日ドラゴンズは、レギュラーシーズンを2位で終えましたが、確実にチームの底力を示し、来シーズンへの布石を打つ結果となりました。

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