1984年欧州議会議員選挙 (ドイツ)

1984年西ドイツ欧州議会議員選挙：民主主義と欧州統合への歩み

1984年6月17日、西ドイツでは欧州議会議員選挙が実施されました。これは、当時欧州共同体（EC、後の欧州連合）の立法機関であった欧州議会のドイツ代表を選出するための重要な選挙でした。本稿では、この選挙における西ドイツの選挙制度、結果、そしてその意義について詳細に考察します。

選挙制度：比例代表制と5％条項

西ドイツにおける欧州議会議員選挙は、比例代表制に基づいて行われました。具体的には、ニーマイヤー式と呼ばれる、最大剰余方式の一種が採用されていました。政党は全国規模または州ごとのリストを提出することができ、同じ政党の州リストは全国的に結合して議席配分を受けることが可能でした。例えば、キリスト教社会同盟（CSU）はバイエルン州のみで名簿を提出し、キリスト教民主同盟（CDU）はバイエルン州を除く州ごとの名簿を全国的に結合していました。有権者は、これらの政党リストの中から一つを選択して投票しました。

議席配分は、全国での投票結果に基づいて、ニーマイヤー式で決定されました。ただし、有効投票の5％以上の得票を得た政党リストのみが議席を獲得できるという5％条項が存在しました。この制度は、小政党の乱立を防ぎ、安定した議会運営を確保することを目的としていました。

選挙権は18歳以上の国民に与えられ、欧州議会議員の任期は5年でした。

選挙結果：安定した二大政党体制

1984年の西ドイツにおける欧州議会議員選挙には、4,446万5,989名の有権者が登録され、そのうち2,523万8,754名が投票しました。投票率は56.8％でした。有効投票数は2,485万1,371票に上りました。

選挙の結果、CDUとCSUは、安定した多数の議席を獲得しました。これらの政党は、西ドイツの政治において長らく支配的な地位を占めており、欧州統合においても積極的な役割を果たしていました。自由民主党（FDP）も議席を獲得し、連立政権を構成する可能性を残しました。本稿では、主要政党であるCDU/CSUとFDPの結果に焦点を当てています。他の政党の結果については、ここでは割愛させていただきます。

選挙の意義：欧州統合と国内政治

1984年の西ドイツにおける欧州議会議員選挙は、西ドイツの国民が欧州共同体への関与を明確に示した選挙でした。選挙結果に表れたCDU/CSUの安定した支持は、西ドイツにおける欧州統合への強い機運を示唆しています。また、同時に、この選挙は西ドイツの国内政治の動向を反映していました。西ドイツの安定した二大政党体制は、この選挙でも維持され、政治的安定を維持することに貢献しました。

この選挙の結果は、今後の欧州共同体の発展、そして西ドイツの政治状況に大きな影響を与えたと考えられます。欧州統合が進む中で、国民の欧州議会への関心がどのように変化し、それが西ドイツの政治にどのような影響を与えていくのか、今後の研究課題といえるでしょう。

(注：本稿は、公開されている情報に基づいて作成されており、正確性を期していますが、完全性を保証するものではありません。より詳細な情報については、専門文献を参照ください。)

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