1985年の横浜大洋ホエールズ

1985年の横浜大洋ホエールズのシーズンレビュー

1985年の横浜大洋ホエールズは、近藤貞雄監督が初めて指揮を執った年であり、チームの戦略に大きな変革がもたらされました。このシーズンは、攻撃と守備の両面で多くの試みがなされ、結果として4位というポジションを獲得しました。

新監督による攻撃改革

1982年に中日ドラゴンズを優勝に導いた実績のある近藤監督は、選手の配置を大胆に変更しました。特に攻撃面では、「スーパーカートリオ」と名付けられた俊足の打者たちを上位打線に並べる戦略が功を奏しました。1番には高木豊、2番には加藤博一、3番には屋鋪要が起用され、それぞれが持ち味を生かしたプレーを展開しました。これにより、攻撃力の向上が図られました。

守備面での大胆なコンバート

守備においても大きな変更が行われました。三塁手の田代富雄を一塁手に、レオン・リーを三塁手に、従来二塁手だった高木豊を遊撃手に、遊撃手の山下大輔を二塁手に起用しました。このように、内野手の左右を入れ替えることで、守備の強化を目指しました。これらの戦略が奏功し、チーム全体のプレーに改善の兆しが見えました。

投手陣の安定

投手陣では、エースの遠藤一彦が14勝7敗で防御率3.15という成績を収め、守護神の斉藤明夫も9勝5敗、18セーブ、防御率2.13という素晴らしい数字を残しました。しかし、全体的に投手の層は薄く、チームの防御率は4.59とリーグ5位にとどまりました。二桁勝利を挙げた投手は遠藤ただ一人でした。

シーズンの動向

1985年のシーズン、横浜は当初好調なスタートを切り、阪神、広島、巨人に次ぐ4位に位置しました。しかし、7月以降は負け越しが続き、中日との4位争いが熾烈になりました。9月に入ると巨人と広島の成績が低下する中で横浜は復調し、再び勝ち越しの見込みを持つようになりましたが、夏場に形成された負け越しが響き、最終的には勝率5割に届きませんでした。それでも、2年ぶりに最下位脱出を果たし、来季への希望を持たせるシーズンとなりました。

上位陣との対戦成績

横浜はリーグ戦において好成績を収め、特に2位の広島に対しては14勝10敗2分、3位の巨人には13勝10敗3分と上位陣に勝ち越しましたが、優勝した阪神や5位の中日には負け越し、台風の目としての存在にはなり得ませんでした。

まとめ

1985年の横浜大洋ホエールズは、新監督の下で攻守にわたる改革が試みられたシーズンでした。選手たちの頑張りやチーム全体の雰囲気から、翌年への期待感が強まりました。成績においても持ち直しを見せたことは、今後の発展に向けた一歩と捉えられるでしょう。

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