1986年の広島東洋カープ

1986年の広島東洋カープの動向

1986年、広島東洋カープは新監督阿南準郎のもと、2年ぶりにリーグ優勝を飾りました。このシーズンは、古葉竹識前監督の勇退を受けての新しい体制のもとで、チームが新たな一歩を踏み出した年でした。

新監督の就任と方針

1985年から長い間チームを率いた古葉監督の去就により、阿南監督が新たに就任。彼は古葉監督の「耐えて勝つ」スタイルを引き継ぎつつ、若返りを図ることを目指しました。具体的には、1982年の新人王である津田恒実を抑え投手に配置し、ルーキーの長冨浩志を先発ローテーションに起用しました。また、古葉監督が重用していた金石昭人も起用し、若手選手を積極的に起用する姿勢を見せました。

打撃陣の世代交代

打撃陣では、長年4番を担った山本浩二や衣笠祥雄が年齢的な衰えを見せ始め、これを受けて2年目の正田耕三がレギュラーとして加入。チームは世代交代を意識しながらも、若手選手が成長し、全体としてのパフォーマンスを維持しました。

開幕からの快進撃

シーズンのスタートは好調で、チームは開幕から勢いを持った戦いを展開しました。しかし、7月には巨人に首位を奪われ、昨年の優勝チーム阪神も追い上げてくるなど、リーグは混戦模様に突入します。8月に阪神が失速する中で、広島と巨人のマッチレースが展開され、これにより緊迫感が増します。

優勝への道

当初は巨人に5.5ゲームの差をつけられましたが、広島は最後まで諦めずに勝ち進み、貯金を重ねました。そして神宮球場でのヤクルト戦に勝利し、見事に2年ぶりのリーグ優勝を決めました。

日本シリーズの結果

リーグ優勝の後、日本シリーズでは初戦が引き分けとなり、その後3連勝を記録しましたが、第5戦で西武の工藤公康に決勝打を許し、流れが西武に傾くことになりました。結果的に4連敗し、日本一のタイトルを逃すこととなりました。

選手たちの去就

このシーズンの後、名選手のひとりである山本浩二が18年間の現役生活に幕を下ろしました。彼の引退はチームにとって大きな転機であり、多くのファンにとっても感慨深い瞬間となりました。

まとめ

1986年の広島東洋カープは、若手選手の台頭とともに阿南監督のもとで新たな風を感じるシーズンでした。リーグ優勝を果たしたものの、日本シリーズでは悔しさを残しましたが、チームの基盤が確立された年とも言えるでしょう。

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