古葉竹識

古葉竹識の野球人生

古葉竹識（こばたけし）は、1936年4月22日生まれで、熊本県熊本市西区からやってきたプロ野球選手です。彼は内野手として広島東洋カープで活躍し、その後コーチや監督、解説者としても多彩なキャリアを築きました。選手時代には盗塁王に輝き、監督としては広島カープを球団史上初のリーグ優勝や日本一に導きました。退任後も野球界に貢献し続け、さまざまな役職を務めました。

プロ入り前の軌跡

古葉は古町国民学校で野球を始めました。彼が小学3年生のとき、終戦を迎え、焼け野原の中で野球をすることがきっかけで強い野球への思いが芽生えます。しかし、父を高校2年生の時に亡くし、裕福な生活が一転します。済々黌高校では、三塁手として春の選抜に出場し、チームを準々決勝へ導きました。1955年に専修大学に入学し、野球を続けながら5年後に日鉄鉱業へ入社。そこで彼は才能を開花させました。

現役時代の挑戦と成果

1958年に広島カープに入団した古葉は、春のキャンプでの米山光男の守備に驚くものの、その後のオープン戦で結果を残しレギュラーへと躍進。彼の成績は年々向上し、1963年にはオールスターゲームでMVPに輝きます。その後もタイトル争いや怪我を乗り越える中で、打率を上げ、機動力を重視したプレースタイルへと移行しました。1964年には盗塁王に輝き、1968年にも再度の受賞。このように、古葉のキャリアは常に進化を怠らなかったのです。

引退後の指導者としての道

選手としてのキャリアを1971年に終えた後、古葉は指導者としての道を歩み始めました。南海ホークスでコーチを経て、1975年には広島東洋カープの監督に就任。強い指導力で知られ、機動力を重視した緻密な戦術が光りました。彼は1975年、1979年、1980年、1984年と4度のリーグ優勝や日本一を達成し、若手選手を育成する一方で、選手への厳しい指導も行いました。

終焉とその後

古葉は監督を1985年に勇退後、解説者としても活動を続けましたが、社会貢献活動にも力を入れ、公益社団法人少年軟式野球国際交流協会の理事長を務めました。彼の影響力は選手育成だけでなく、地域の野球振興にも広がりました。2021年11月12日、心不全により亡くなった彼の死は、多くの野球ファンや関係者にとって大きな損失とされ、今もなおその影響は色あせることがありません。

人物と哲学

古葉竹識は「耐えて勝つ」を座右の銘として掲げ、その生き方を貫きました。選手や部下に対する愛情深さはもちろん、一方で厳しい面も持ち合わせており、彼の指導は若い選手たちにとって厳しくも貴重な経験となりました。また、選手間の仲人を務めるなど、人間関係にも細やかな配慮を忘れない一面もありました。

彼の生涯は、ただの選手生活に留まらず、指導者としても、一人の人間としても、多くの人々に影響を与え続けました。彼の遺した教えは、これからも受け継がれていくことでしょう。

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