1986年沖縄県知事選挙

1986年沖縄県知事選挙

1986年（昭和61年）11月16日に投票が実施された沖縄県知事選挙は、県の執行機関である沖縄県知事を選出するために行われた重要な地方選挙でした。当時の現職知事であった西銘順治氏の任期満了に伴い、新たなリーダーを選ぶ機会となりました。

この選挙の最大の焦点は、保守勢力の支持を受ける現職の西銘順治氏が三期目を目指す姿勢と、これに対抗する形で革新陣営が擁立した金城睦氏との間で行われた、いわゆる「保革一騎討ち」の構図でした。沖縄県の知事選挙では、保守系と革新系の候補者が一対一で争う構図が度々見られますが、この1986年の選挙もその例に漏れず、両陣営の力が真正面からぶつかり合う激しい選挙戦が展開されました。

選挙の実施日程は以下の通りです。

告示日: 1986年10月27日
投票日: 1986年11月16日

立候補したのは、現職の西銘順治氏と新人の金城睦氏の二名でした。両者とも、それぞれの政治的立場から、当時の沖縄県が抱える様々な課題に対する解決策や将来の展望を有権者に訴えました。現職の西銘氏は、これまでの実績を強調し、安定した県政運営の継続を訴えた一方、革新陣営の金城氏は、新たな視点からの県政改革や、保守県政からの転換を主張しました。

選挙の結果は、現職の西銘順治氏が勝利を収め、三期目の知事として再選される形となりました。金城睦氏も一定の支持を集めましたが、最終的には西銘氏が金城氏に対して6万9192票、あるいは約7万票とも言われる大差をつけて当選を果たしました。この票差は、当時の西銘県政に対する有権者の一定の評価や、保守勢力の組織力の強さを示すものと言えるでしょう。

一方、投票率は74.11パーセントでした。これは、前回の沖縄県知事選挙と比較すると、7.61ポイントもの大幅な低下となりました。7パーセント以上の低下は、有権者の政治への関心度が変化した可能性や、選挙戦の展開、あるいは当時の社会情勢など、複数の要因が複合的に影響した結果と推測されます。一般的に、知事選挙は有権者の関心を集めやすい傾向にありますが、この選挙では投票率が低迷した点が特筆されます。

1986年の沖縄県知事選挙は、保守系の現職知事が革新陣営の挑戦を退け、安定した県政運営の継続が選択された選挙でした。しかしながら、投票率の大幅な低下という側面もあり、これは当時の沖縄県における政治状況や有権者の意識の変化を示唆する出来事であったとも考えられます。この選挙の結果は、その後の沖縄県の政治の流れにも影響を与えたと言えるでしょう。選挙に関する詳細なデータは、当時の公的な記録や報道機関の資料に確認することができます。例えば、琉球新報が2010年に掲載した沖縄知事選に関する過去のデータをまとめた記事などが、当時の選挙結果を知る上で参考となります。

この選挙は、当時の沖縄県における保守と革新の対立構造や、有権者の動向を理解する上で重要な事例の一つと言えます。現職の強さ、組織力の差、そして有権者の関心度の変化といった要素が複雑に絡み合い、最終的な選挙結果を形作りました。

もう一度検索