1987年のロッテオリオンズ

1987年ロッテオリオンズシーズンレビュー

1987年のロッテオリオンズは、監督に有藤道世を迎えた初年度のシーズンとなり、期待と挑戦が入り混じった展開が見られました。この年は、前年に放出した落合博満とのトレードで獲得した牛島和彦が抑え投手として活躍を見せ、チームの強化に寄与しました。牛島はこのシーズンにおいて、2勝4敗ながら24セーブ、防御率1.29を記録し、最優秀救援投手の称号を獲得しました。

チーム全体の防御率は3.67と、まずまずのレベルを維持していましたが、2桁勝利を上げた投手は荘勝雄のみで、彼は13勝11敗、防御率3.32の成績を残しました。投手陣が全体として良好だったにもかかわらず、勝利が限られていたのは、打線の不振によるものでした。特に注目すべきは野手陣の動きで、前年にトレード寸前だった水上善雄が遊撃手のポジションを奪い返しました。また、西村徳文は二塁手から三塁手にコンバートされ、新たに二塁手には佐藤健一や中日から移籍した上川誠二、丸山一仁が起用されることになりました。一塁手には愛甲猛、山本功児、田野倉利行が複数併用されました。

特筆すべき点として、ロッテオリオンズは機動力を駆使し、リーグ最多の152盗塁を記録しました。このシーズンを通じて西村徳文が41盗塁を成功させ、見事に盗塁王のタイトルを手にしました。しかしながら、打撃面では大きな問題を抱えていました。レロン・リーの衰えと落合放出の影響により、チームの本塁打数は前年171本から104本まで減少し、チーム打率は.264にとどまりました。このように、数字が示す通り打撃陣は大きく苦しむシーズンとなり、打点は486を記録するにとどまりました。

シーズンの中では、多くの興味深い出来事がありました。特に9月20日には、村田兆治が西武との対戦で通算2000奪三振を達成し、記念すべき瞬間を西川球場で迎えました。打者は当時の西武の主力選手である石毛宏典でした。このような記録は、選手のキャリアに光を当てるものであり、ファンにとっても忘れられない瞬間であったことでしょう。

全体として、1987年のロッテオリオンズは、新監督と新たに形成されたチームが挑戦を続けた年でした。投手陣の充実ぶりや選手起用の工夫、機動力の活用はされていましたが、打撃陣の不振がチーム全体の成績に大きく影を落としました。この年の経験をもとに、次のシーズンに向けた改善が求められました。

もう一度検索