1987年の読売ジャイアンツ

1987年の読売ジャイアンツ

1987年の読売ジャイアンツは、王貞治監督の4年目を迎えるシーズンであり、東京・後楽園球場では最後となる年でした。このシーズン、チームは3年間も勝利から遠ざかっていましたが、新たに打撃コーチとして中日監督を務めた山内一弘を迎え、強力な打線を形成しました。

打撃陣の活躍

山内コーチの指導のもと、打線は飛躍的に成長しました。特に3番から7番までには、クロマティ、原辰徳、吉村禎章、篠塚利夫、中畑清といった実力派打者が揃い、全員が打率3割以上を記録しました。さらに、8番打者として山倉和博が22本のホームランを放ち「恐怖の8番打者」として知られる存在となりました。彼は捕手としても、桑田真澄、江川卓、槙原寛己、水野雄仁などの投手陣を巧みにリードし、巨人軍の捕手として初めてMVPを獲得しました。

優勝決定

チームは6月13日に首位に立つと、その後は一度も首位を明け渡すことなく、シーズンを進めました。10月9日には2位の広島が中日に敗れたことを受けて優勝が決定し、後楽園球場の最後の年に華を添えました。ただし、前年のチャンピオンである広島との対戦では最終戦に勝利できず、完全優勝は達成できませんでしたが、最下位の阪神には18勝8敗と大きな勝ち越しを記録しました。

日本シリーズの結果

宿敵西武との日本シリーズでは、2勝2敗で迎えた第5戦で守備のミスが響き自滅してしまいました。結局、シリーズは2勝4敗で敗退。このシーズンも王監督の4年目でしたが、日本一にはならず、チームの課題として守備・走塁面の強化が浮き彫りとなりました。

シーズン終了後の動向

シーズン終了後、江川卓選手が突然現役引退を発表し、また松本匡史選手には任意引退扱いで戦力外通告が行われました。これを受けて、東京ドームに向けた戦力の再編も進められていくことになりました。

表彰選手

1987年のシーズンでは、多くの選手が活躍しました。最優秀選手には山倉和博が選出され、首位打者には篠塚利夫が輝きました。また、桑田真澄は最優秀防御率、沢村賞のダブル受賞を果たしました。さらに、桑田真澄、山倉和博、中畑清、原辰徳はベストナインおよびゴールデングラブ賞にも選ばれ、その実力を証明しました。

このシーズンは後楽園球場での最後の年となった読売ジャイアンツにとって、様々な意義のあるシーズンだったと言えます。

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