1987年アジア野球選手権大会

1987年の夏、日本の首都圏を中心とした複数の都市を舞台に、アジア野球の頂点を競う国際大会が開催されました。

この大会は、正式名称を1987年アジア野球選手権大会といい、同年8月24日から8月31日までの約一週間にわたって行われました。主要な開催地は東京都でしたが、試合会場は都内にとどまらず、神奈川県の横浜市や川崎市、そして埼玉県の所沢市など、広範囲に及びました。

大会の形式は、参加した全チームが一度ずつ対戦する総当たり方式、すなわちラウンドロビン方式が採用されました。参加国は合計で7カ国。

この選手権は、単にアジアチャンピオンを決めるだけでなく、翌年に迫った1988年ソウルオリンピックの野球競技におけるアジア地域の予選を兼ねるという重要な位置づけを持っていました。ソウルオリンピックには、開催国である韓国が既に出場権を確保していたため、今大会では韓国以外の参加国の中で、最終的な順位の上位2チームにオリンピック本戦への出場権が付与されることになっていました。

大会に参加したのは、開催国である日本、そして韓国、チャイニーズタイペイ（台湾）、中華人民共和国の東アジア勢に加え、オーストラリア、そして今大会が初参加となったグアムとインドといった、幅広い地域からの7カ国です。

熱戦が展開された試合会場は多岐にわたりました。東京都新宿区に位置し、日本の大学野球やプロ野球でも歴史ある球場として知られる明治神宮野球場をメイン会場の一つとして使用。その他にも、神奈川県の横浜スタジアム、かつて多くのプロ野球公式戦が行われた川崎球場、そして当時の西武ライオンズの本拠地であった西武球場（現在のベルーナドーム）など、日本の野球ファンにとって馴染み深い球場で試合が行われました。

大会期間中は、ラウンドロビン方式により連日複数の試合が消化されました。参加各国の代表チームは、それぞれ国の威信とオリンピック出場権をかけて、力の限り戦いました。特にオリンピック出場権を争う韓国以外のチームにとっては、一戦一戦が極めて重要であり、緊迫感のある試合が続いたことでしょう。

大会最終日の8月31日まで、予定されていた全ての試合が無事に終了しました。この大会を通じて、アジア各国の野球レベル向上に貢献するとともに、翌年のソウルオリンピックに出場するアジア代表チームが決定しました。1987年の夏に行われたこのアジア野球選手権大会は、その後のアジア野球の発展においても、またソウルオリンピックという国際的な舞台への道を開く上でも、記憶に残る大会となりました。

この大会を経て選ばれたチームが、1988年ソウルオリンピックの野球競技にアジア代表として参加することになります。

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