1988年カルガリーオリンピックのフィギュアスケート競技

1988年カルガリーオリンピック フィギュアスケート競技

1988年2月14日から2月27日にかけて、カナダのカルガリー市内で開催された冬季オリンピックでは、フィギュアスケート競技がサドルドームを舞台に繰り広げられました。この大会では、男子シングル、女子シングル、ペア、そしてアイスダンスの計4種目で熱戦が展開され、翌2月28日にはエキシビションも行われました。

各種目の熱戦

男子シングル

男子シングルでは、開催国カナダのブライアン・オーサー選手と、アメリカのブライアン・ボイタノ選手という、世界トップレベルの「ブライアン」二人が金メダルを争いました。この注目の対決は「ブライアン対決（Battle of the Brians）」として大きな話題を呼びましたが、最終的にはアメリカのボイタノ選手が見事勝利を収め、栄光を掴みました。

女子シングル

女子シングルでは、前回のサラエボオリンピック金メダリストである東ドイツのカタリナ・ヴィット選手と、アメリカのデヴィ・トーマス選手に注目が集まりました。二人は偶然にも、ジョルジュ・ビゼー作曲のオペラ『カルメン』をフリープログラムの曲として選曲しており、この因縁めいた対決は「カルメン対決（Battle of the Carmens）」と呼ばれました。結果は、ヴィット選手が再び金メダルを獲得し、ソニア・ヘニー選手以来、オリンピック女子シングル史上二人目となる連覇という偉業を成し遂げました。

ペア・アイスダンス

ペアおよびアイスダンス競技では、ソビエト連邦勢がその強さを見せつけました。ペアではエカテリーナ・ゴルデーワ＆セルゲイ・グリンコフ組、アイスダンスではナタリア・ベステミアノワ＆アンドレイ・ブキン組がそれぞれ金メダルを獲得しました。

特にペアで優勝したゴルデーワ＆グリンコフ組は、このオリンピックでの勝利によって、フィギュアスケートにおける主要な国際大会、すなわちオリンピック、世界選手権、ヨーロッパ選手権、そして世界ジュニア選手権の全てのタイトルを獲得するという、歴史上初の快挙を達成しました。これは、その後のフィギュアスケート界においても長く語り継がれる偉大な記録となりました。

競技形式と参加規模

各競技は、特定の順序で複数の要素を組み合わせた形式で行われました。男子シングルと女子シングルは、コンパルソリーフィギュア（CF）、ショートプログラム（SP）、フリースケーティング（FS）の3段階で構成されました。ペアはショートプログラムとフリースケーティング、アイスダンスはコンパルソリーダンス（CD）、オリジナルダンス（OD）、フリーダンス（FD）で競われました。

競技日程は以下の通りです。

ペア: SP (2月14日), FS (2月16日)
男子シングル: CF (2月17日), SP (2月18日), FS (2月20日)
アイスダンス: CD (2月21日), OD (2月22日), FD (2月23日)
女子シングル: CF (2月24日), SP (2月25日), FS (2月27日)

この大会には、世界各国から多数の選手が参加しました。

男子シングル: 21ヶ国から28名の選手が出場
女子シングル: 23ヶ国から31名の選手が出場
ペア: 8ヶ国から15組のカップルが出場
アイスダンス: 15ヶ国から20組のカップルが出場

1988年のカルガリーオリンピックにおけるフィギュアスケート競技は、記憶に残るドラマチックな対決や、歴史的な快挙が生まれ、多くの人々に感動を与えた大会となりました。

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