1988年カルガリーオリンピック

1988年カルガリーオリンピックの概要

1988年の冬季オリンピック、正式には1988年カルガリーオリンピックは、1988年2月13日から2月28日にかけてカナダのカルガリーで行われました。このオリンピックは、一般にカルガリー1988とも称され、冬季大会の新たなスタンダードを築くものとなりました。特に、開催日数がこれまでの冬季オリンピックの12日から16日へと延長されたことが大きな特徴です。

大会開催までの経緯

カルガリーは1964年、1968年、1972年と3度にわたりオリンピック開催地に立候補していたものの、すべて不成功に終わっていました。しかし、1981年に西ドイツのバーデン＝バーデンで開かれた国際オリンピック委員会の総会において、ついに1988年の冬季オリンピック開催地として選ばれました。

大会のハイライト

この大会では、スキージャンプのマッチ・ニッカネンが史上初の個人70m級、90m級、さらに団体戦でも金メダルを獲得し、距離の三冠を達成しました。彼の活躍は大きな話題となりました。また、この大会では競技参加者が極めて少ない中でイギリスのマイケル・エドワーズが注目され、「エディ・ザ・イーグル」という愛称で親しまれました。

また、今大会ではスピードスケート競技初めて屋内のオリンピックオーバルで実施され、選手たちは安定したコンディションのもとで記録を競い合いました。これにより、優れた成績が次々と生まれることとなります。

特に印象的だったのは、ジャマイカのボブスレーチームの初出場です。雪が降らない中南米のジャマイカが、ボブスレーという冬季競技に挑戦する姿が話題を呼び、後に映画『クール・ランニング』のインスピレーションともなりました。

フィギュアスケートでは、日本の伊藤みどりが女子競技において難度の高いジャンプを連発し、「空飛ぶ女性」と称されるほどの人気を博しました。彼女は最終的に5位に終わりましたが、エキシビションにも出演し、派手な演技で観客を魅了しました。さらに、ショートトラックスピードスケート女子3000mでは獅子井英子が金メダルを獲得するなど、日本の選手たちも健闘しました。

残念ながら、カナダの選手たちは自国開催のオリンピックで金メダルを獲得せず、国内開催で金メダルがゼロだった初の国となりました。これにより、カナダの選手が自国開催で金メダルを獲得するのは2010年のバンクーバーオリンピックまで待たなければなりませんでした。

実施された競技と会場

開会式と閉会式はマクマーン・スタジアムで行われ、スピードスケート競技はオリンピックオーバルで開催されました。フィギュアスケートとアイスホッケーはオリンピック・サドルドームで行われ、ボブスレーやリュージュ、スキージャンプの競技はカナダ・オリンピック・パークで実施されました。さらに、ノルディック競技はキャンモア・ノルディック・センター州立公園で行われています。

主なメダリスト

多くの選手が活躍し、メダルを獲得しています。例えば、アルペンスキーではスイスのピルミン・ツルブリッゲンが男子滑降で金メダルを獲得し、フィギュアスケートの男子シングルではブライアン・ボイタノが金メダルを手にしました。スピードスケート女子500mではアメリカのボニー・ブレアが金メダルを取得しました。

結論

1988年カルガリーオリンピックは、数多くの名勝負とともに、選手たちの努力と情熱を感じさせる大会でした。その歴史的な意義は、今もなお語り継がれています。

もう一度検索