1989年欧州議会議員選挙 (ポルトガル)

1989年欧州議会議員選挙：ポルトガル共和国

1989年6月に行われた欧州議会議員選挙は、欧州共同体（現在の欧州連合）加盟12カ国で同時に行われた、欧州議会を構成する議員を選出する重要な選挙でした。本稿では、その選挙におけるポルトガル共和国の状況を詳細に見ていきます。ポルトガルは、2年前に欧州共同体に加盟したばかりであり、今回の選挙は同国にとって初めての欧州議会議員選挙となりました。

選挙概要

ポルトガルにおける選挙の主要な特徴は以下の通りです。


議員定数: 24議席
任期: 5年（ただし、ポルトガルにおいては、加盟2年後の選挙であったため、前回に限り2年間の任期となりました）
選挙権: 18歳以上の欧州共同体市民
選挙制度: 比例代表制。全国を1選挙区として、各政党が提出した名簿から投票が行われ、ドント式で議席が配分されました。阻止条項はありませんでした。

選挙結果

選挙は1989年6月18日に行われ、その結果は次の通りです。


有権者数: 8,121,564名
投票者数: 4,149,756名
投票率: 51.10%


この投票率は、欧州共同体加盟国の中でも必ずしも高いとは言えず、国民の欧州議会に対する関心の高さを反映しているとは言えない結果となりました。これは、ポルトガル国民にとって初めての欧州議会選挙であり、欧州共同体、ひいては欧州議会への理解がまだ十分に浸透していなかったことなどが背景にあると考えられます。


（注：各政党の得票数と議席数の内訳については、入手可能な情報が限られているため、本稿では割愛させていただきます。詳細なデータについては、後述の参考文献を参照ください。）

選挙の背景と考察

この選挙は、ポルトガルにとって欧州統合への新たな一歩を踏み出す上で重要な意味を持ちました。ポルトガルは、欧州共同体加盟後、経済発展や国際社会における地位向上を目指しており、欧州議会への参加を通じて、その目標実現への努力を続けていくこととなります。しかし、低い投票率は、国民の欧州共同体への関与や理解度を高める必要性を改めて示す結果となりました。


今後、ポルトガルが欧州統合の中でどのような役割を果たしていくのか、国民の欧州議会への意識がどのように変化していくのか、注目すべき点と言えます。

参考文献

CNE Comissao Nacional de Eleicoes（国民選挙委員会）
CNE Resultados Elecitorais（国民選挙委員会選挙リサーチ）－ポルトガル第三共和政下で行われた国政と地方選挙の詳細な選挙結果が閲覧できる。
西平重喜『各国の選挙　変遷と実情』木鐸社

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