1991年のラジオ (日本)

1991年の日本のラジオ

1991年の日本のラジオ放送は、多くのリスナーに親しまれた番組が終了する一方で、個性豊かな新番組が多数スタートするなど、活発な動きが見られた一年でした。また、新しい放送局が開局し、既存局は周年を記念した特別番組を企画するなど、放送業界全体に新たな風が吹きました。

主な番組関連の出来事

この年の注目すべき出来事として、中部日本放送（CBCラジオ）の長寿番組『ラジオ朝市』におけるパーソナリティ交代劇が挙げられます。長年番組の顔を務めてきた新間正次氏は、4月25日に担当回数が5602回に達し、番組の最多担当記録を更新するという偉業を成し遂げました。しかし、政治活動への転身を決意した新間氏は、翌年の参議院選挙への立候補を表明し、8月31日をもって番組を降板。これを受け、CBCラジオは急遽、後任として西金之助氏をパーソナリティに起用し、番組の継続を図りました。

また、四半世紀近くにわたり多くのリスナーに愛された番組がその歴史に幕を下ろしました。文化放送で土曜日の夕方に放送されていた1時間番組『日立ハローサタデー』は、14年間にわたる放送を終え、10月5日に最終回を迎えました。

一方で、人気番組のリニューアルも行われました。TOKYO FM系列で放送されていた音楽チャート番組『コーセー歌謡ベスト10』は、10月5日から番組タイトルを『KOSE カウントダウン・ジャパン』と改め、内容も一新してリニューアルスタートしました。これは現在の人気番組の源流となる出来事でした。

その他のラジオ関連の動き

新しい放送局の開局もこの年のトピックの一つです。1991年7月1日には、京都府を放送対象地域とする新しいFM局、エフエム京都（α-STATION）が開局しました。

既存の放送局では、節目を祝う特別番組が企画されました。5月3日から4日にかけては、STVラジオが日高晤郎氏の芸能生活30周年を記念し、前例のない32時間にも及ぶ長時間生放送「めぐり逢い・春夏秋冬」を実施しました。また、12月24日から25日には、TBSラジオが開局40周年を記念した24時間のスペシャル番組「メリークリスマスラジオ」を放送し、多くのリスナーとともに局の誕生日を祝いました。

多数の新番組がスタート

1991年は、NHKと民放のAM・FM各局で非常に多くの新番組が開始された年でもありました。年初の1月には、ニッポン放送で深夜の人気枠『オールナイトニッポン』に古田新太氏が登場したほか、CBCラジオでは荒木とよひさ氏の番組がスタートしました。2月には大江千里氏、3月には伊集院光氏、ウッチャンナンチャン、加勢大周氏など、多様なジャンルのタレントや文化人が次々と深夜放送に起用されました。

4月には、NHKラジオ第1放送で『ラジオスポーツステーション』、NHK-FMで『ポップスステーション』『ベストオブクラシック』などが始まり、編成の改編が行われました。民放AM局では、TBSラジオで永六輔氏の新番組『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』が開始されたほか、文化放送では『MOONLIGHT 抱きしめて!!』や、声優・アニメファンに人気の『ノン子とのび太のアニメスクランブル』などがスタートしました。ニッポン放送では『東京サウンドバズーカ音姫絵巻』、bayFMで『オール電リク TOKYO BAY LINE 7300』、TOKYO FMでは岡村孝子氏の番組が始まるなど、FM各局も改編期を迎えました。

6月には電気グルーヴ氏が『オールナイトニッポン』に登場し、さらに夏から秋にかけても新番組ラッシュは続きました。10月の改編期には、STVラジオで小倉智昭氏や工藤じゅんき氏の番組、TBSラジオでメイコ氏の番組、文化放送では武田鉄矢氏、太田英明氏などの番組がスタートしました。ニッポン放送でも浅草キッド、さくらももこ、平松愛理など、『オールナイトニッポン』のパーソナリティが多数入れ替わったほか、羽野晶紀、KERAと犬子、中江有里、高田純次、牧瀬里穂、観月ありさ、峰竜太といった幅広い顔ぶれの新番組が登場しました。また、朝日放送ではハイヒール・モモコ（inputには可朝と記載されているが、文脈や時期から判断してハイヒール・モモコと考えられる）、立原啓裕氏の番組が始まり、MBSラジオでは青木和雄氏の番組が、ラジオ関西では声優の林原めぐみ氏の番組『Heartful Station』が開始されるなど、関西圏でも活発な動きが見られました。これらの新番組は、後のラジオ界を牽引する存在となったものも少なくありません。

1991年は、長寿番組の歴史が閉じられる寂しさがある一方で、新たな才能や企画が多数登場し、ラジオが常に進化し続けるメディアであることを改めて印象づけた一年であったと言えるでしょう。

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