1991年の読売ジャイアンツ

1991年の読売ジャイアンツのシーズン概要

1991年、読売ジャイアンツは藤田元司監督のもとで、前年の日本シリーズでの敗北を引きずりながらシーズンスタートしました。この年のテーマは「選手の自主性」と設定しましたが、チームの動きは依然として従来の戦略に頼る形となりました。その結果、前年に実際に見えた弱点がこのシーズンでも再び現れることとなったのです。

シーズンの振り返り

前年にリーグ優勝を果たしながら、日本シリーズで西武に敗れた影響を受けつつ迎えた1991年シーズン。特に注目されたのが新外国人選手のフィル・ブラッドリーで、一定の成績を残すものの、打線がつながりに欠けていたため、特に得点力に苦しむ展開が続きました。さらに守備のミスも増え、前年よりもエラー数が著しく増加。特に26試合で66失策をマークし、チームの守備力の低下が目立ちました。

投手陣の状況

投手陣においても前年並の安定感が欠け、特に先発投手陣のパフォーマンスが低下しました。桑田真澄は孤軍奮闘し、優れた成績を残しますが、それ以外の投手は精彩を欠き、全体のチーム防御率は3.72まで落ち込みました。先発投手の中で唯一桑田のみが貯金を作るも、それ以外の投手はあまり成果を上げることができず、昨年80勝を挙げたメンバーでも、この年の勝ち星はわずか56勝にとどまりました。

結果と影響

最終的に読売ジャイアンツはヤクルトとの3位争いに敗れて、1979年以来12年ぶりのBクラスに転落しました。特にカード別成績においては、最下位の阪神には何とか勝ち越しを果たしますが、他のチームには苦しみ、5位の大洋とは13勝13敗に終わりました。シーズン終了後、藤田監督の腹心であったヘッドコーチ近藤昭仁や打撃コーチ松原誠が解任されるなど、シーズンの評価は芳しくありませんでした。ブラッドリーもチームになじめず、シーズン後には退団を余儀なくされる事態となりました。

シーズン中に起こった出来事

4月には開幕戦で中日に連敗スタートし、これは11年ぶりでした。その後、桑田がプロ初セーブを記録し、宮本和知が完封勝利を挙げるなど良い瞬間もあったものの、チーム全体の調子は上がらず、8月の大洋戦では8盗塁を許し、捕手村田真一の弱肩も問題視されました。また、シーズンの終わりにかけて原辰徳がセ・リーグ新記録の12犠飛を達成しましたが、全体としてはBクラスの位置でシーズンを終えました。

まとめ

1991年の読売ジャイアンツは、藤田監督のもとで新たな挑戦をしながらも、結果的には厳しいシーズンとなりました。選手の自主性を重んじるテーマはあったものの、選手間の連携やゲーム運びの面で課題が残りました。これによりチームは次のシーズンに向け、どう立て直しを図るかが大きな焦点となります。

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