フィル・ブラッドリー

フィリップ・プール・ブラッドリーは、1959年生まれ、アメリカ合衆国インディアナ州出身の元プロ野球選手です。1983年から1991年まで、メジャーリーグと日本の読売ジャイアンツで外野手としてプレーしました。

ミズーリ大学時代は、野球とアメリカンフットボールの両方で活躍しました。1981年には、ジャパンボウルにクォーターバックとして来日しています。

メジャーリーグでは、シアトル・マリナーズを中心に活躍。イチロー選手に更新されるまで、マリナーズの新人最高打率と最多盗塁記録を保持していました。また、1988年と1990年には、リーグ最多死球を記録しています。

1991年、ウォーレン・クロマティ選手の退団後、読売ジャイアンツに助っ人として入団。年俸は150万ドル（推定、当時のレートで約2億400万円）でした。開幕戦で初打席初本塁打を放ち、開幕以来14試合連続セーブの日本記録を更新中だった大野豊投手から逆転サヨナラホームランを放つなど、打率.282、21本塁打、70打点の成績を残しました。

守備・走塁でもクロマティ選手以上の実力を見せましたが、上記のサヨナラホームランの際にヒーローインタビューを拒否したことなどから、ファンからは「暗い性格」と受け取られる面もありました。もっとも真面目な性格で、明るい性格で盛り上げ役だったクロマティ選手との比較もあったようです。

もともと1年契約であり、「日本の野球になじもうとしたけど、どうしてもダメだった」として球団側に退団の希望を申し入れ、球団も特に慰留しなかったため、1年で帰国となりました。日本でもリーグ最多死球を記録し、同年4月14日の広島戦で最後の登板となった津田恒実投手から死球を受けています。

1992年、大リーグ復帰を目指してモントリオール・エクスポズと契約しましたが、出場機会はありませんでした。引退後、1994年にはシカゴ・カブス傘下のルーキーリーグ監督を務め、その後は大リーグ選手会専務理事特別補佐として活動しています。この活動の中で、日本でのメジャーリーグ公式戦やワールド・ベースボール・クラシックの予選視察で選手に同行する形で6回来日し、日本への理解を深めました。そして「今の自分ならもう少し日本でプレーしたと思う」と振り返っています。

息子のカート・ブラッドリー選手も元野球選手（外野手）で、2006年にロサンゼルス・ドジャースからドラフト33巡目で指名されましたが、2007年にルーキーリーグで20試合の出場にとどまりました。

ブラッドリー選手は、MLBオールスターゲームに1回出場（1985年）しています。NPBでは、1991年4月6日の中日ドラゴンズ戦で初出場・初先発出場し、同試合で初打席初本塁打を記録しました。これはNPB史上29人目の記録です。巨人在籍時の背番号は「2」でした。

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