1993年の台風

1993年、太平洋北西部で発生した熱帯低気圧は、合計28個に達しました。このうち、日本への接近は9個、上陸は6個を数え、当時としては統計史上最多タイの記録となりました（現在では2番目に多い記録）。平年の上陸数がおよそ3個であることを考えると、その2倍もの台風が上陸したことになります。

台風の発生と日本への影響

台風は3月13日に1号が発生し、その後、特に8月から10月にかけて集中して発生しました。この期間には22個もの台風が発生しています。上陸も7月と8月に集中し、特に8月に上陸した台風13号は「非常に強い」勢力で九州に上陸し、甚大な被害をもたらしました。

各台風の詳細

台風1号（イルマ）
3月10日にマーシャル諸島近海で発生した熱帯低気圧が、13日に台風に発達しました。台風名「イルマ」と命名され、発達しながら北西に進みましたが、17日には熱帯低気圧に変わりました。

台風2号（コリン）
6月16日にマーシャル諸島近海で発生した熱帯低気圧が、21日に台風に発達し、「コリン」と命名されました。22日頃から急速に発達し、24日頃には一時「猛烈な」勢力に達しましたが、ルソン島を通過後、29日に熱帯低気圧となりました。この年の台風の中では最強の勢力でした。

台風3号（ルイス）
7月7日頃にフィリピンの東で発生した熱帯低気圧が、8日に台風に発達し、「ルイス」と命名されました。フィリピンを通過後、南シナ海で発達し、13日に大陸で熱帯低気圧となりました。

台風4号（ネイサン）
7月20日にマリアナ諸島の北東の海上で発生し、24日には父島の西海上で発達しました。25日に徳島県に上陸し、岡山県に再上陸後、日本海に抜け、温帯低気圧に変わりました。この台風により、床上浸水や床下浸水が発生しました。

台風5号（オフェリア）
7月26日に沖ノ鳥島の北海上で発生し、27日には鹿児島県大隅半島に上陸しました。その後、山口県徳山市付近に再上陸し、日本海に進みました。この台風に続き、台風6号も襲来し、被害を拡大させました。

台風6号（パーシー）
7月28日に沖縄の南の海上で発生し、30日には長崎県長崎市付近に上陸しました。台風5号の直後に上陸したため、西日本では被害が拡大しました。これらの台風により、九州・四国・中国地方西部で大雨となり、各地で甚大な降水量を記録しました。

台風7号（ロビン）

台風8号（スティーブ）

台風9号（ターシャ）

台風10号（ケオニ）
越境台風となりました。

台風11号（ヴァーノン）
8月22日に日本の遥か南海上で発生し、27日に北海道釧路市付近に上陸しました。

台風12号（ウィノナ）

台風13号（ヤンシー）
8月31日に沖ノ鳥島近海で発生し、9月3日に鹿児島県薩摩半島南部に上陸しました。中心気圧930 hPa、最大風速50m/sという記録的な勢力で上陸し、1959年の伊勢湾台風に次ぐ勢力でした。久米島では最大瞬間風速53.9m/sを観測し、甚大な被害をもたらしました。

台風14号（ゾラ）
9月7日に沖縄の南の海上で発生し、9日に和歌山県南部に上陸しました。死者・行方不明者や住家被害が発生しました。

台風15号（エイブ）

台風16号（ベッキー）

台風17号（セシル）

台風18号（ドット）

台風19号（エド）

台風20号（フロー）

台風21号（ジーン）

台風22号（ハティ）

台風23号（アイラ）
フィリピンを襲った後、南シナ海を通過し、香港に接近。航空事故の引き金にもなりました。

台風24号（ジーナ）

台風25号（カイル）

台風26号（ローラ）

台風27号（マニー）

台風28号（ネル）

まとめ

1993年の台風は、発生数、接近数、上陸数ともに多く、特に台風13号は記録的な勢力で上陸し、大きな被害をもたらしました。この年は、台風による災害が多発した年として記憶されるでしょう。

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