1994 FIFAワールドカップ・決勝

1994 FIFAワールドカップ・決勝

1994年7月17日、アメリカのロサンゼルス郊外にあるパサデナのローズボウルで行われた1994 FIFAワールドカップの決勝は、ブラジルとイタリアの対決となりました。この大会は第15回目のFIFAワールドカップであり、世界中のサッカーファンが注目する中、歴史的な瞬間が訪れました。

決勝への道のり

ブラジル

ブラジルはグループBに所属し、ロシア、カメルーン、スウェーデンと対戦しました。チームはロシアに2-0、カメルーンに3-0で勝利し、最終戦のスウェーデンに引き分けたものの、早々に決勝トーナメントへの進出を決めました。

決勝トーナメントではアメリカと対戦し、レオナルドが一発退場の厳しい状況にもかかわらず、ベベットのゴールで1-0の勝利を収めました。続いて準々決勝ではオランダと対戦。最初はロマーリオとベベットの得点でリードしましたが、同点に追いつかれ、その後ブランコの直接FKによってこの試合を制しました。準決勝ではスウェーデンとの対戦となり、37分にロマーリオが決勝点を挙げてブラジルは決勝進出を果たしました。

イタリア

一方、イタリアはグループEに分けられ、アイルランド、ノルウェー、メキシコと戦いました。初戦のアイルランド戦で0-1の敗北を喫し、ロベルト・バッジョの不調も影響していました。ノルウェー戦で何とか勝利を収めたものの、主将のフランコ・バレージが怪我で離脱。最終のメキシコ戦も引き分け、3位での通過となりました。

決勝トーナメントでは、グループDを勝ち上がったナイジェリアとの対戦が待っていました。先制を許しながらも、ロベルト・バッジョが延長戦に持ち込み、PKで決勝ゴールを決めるという逆転劇を演じました。その後、スペインとブルガリアを相手に同じく2-1で勝利を重ね、ついに決勝進出を果たしました。

試合展開

決勝では、復帰したバレージが感動的な姿を見せたが、イタリアは肘打ちで出場停止のタソッティと警告によるコスタクルタを欠いての戦いを余儀なくされました。ブラジルはほとんど順調でしたが、レオナルドの出場停止が響いていました。

試合は両チームの守備がしっかりしており、ブラジルは幾度も決定機を迎えましたが、なかなか得点が奪えない展開が続きました。後半に入ると、ブラジルのシュートが相手ゴールキーパーに阻まれ、イタリアもバッジョのシュートが枠を外し、どちらも決めきれないまま90分が終了しました。

この試合は、決勝としては初めてPK戦に突入しました。両チームとも初めのキッカーが失敗した後、続く選手たちが成功する中、イタリアのマッサーロの失敗とブラジルのドゥンガの成功で試合は緊迫感を増しました。しかし、運命のキックを担当したロベルト・バッジョが蹴ったボールは大きくゴールを外れ、ブラジルが6大会ぶりの4回目のワールドカップ優勝を決めました。

この試合は、選手たちが疲労困憊の中で戦った消耗戦でもありました。開催国アメリカでの酷暑と移動距離の長さが試合内容に影響し、両チームの健闘が際立った瞬間となりました。

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