1994年ドイツ連邦議会選挙

1994年10月16日、ドイツ連邦共和国において連邦議会選挙が実施されました。この選挙は、ドイツ連邦共和国の立法府である連邦議会の議員を選出するために行われたもので、当時の政情に大きな影響を与える重要な選挙となりました。

選挙は、小選挙区比例代表併用制という制度に基づいて行われました。有権者数は60,452,009名にのぼり、投票率は79.0％と高い数値を記録しました。有効投票数は46,949,356票に達しました。

当時の連邦首相は、キリスト教民主同盟（CDU）のヘルムート・コール氏でした。コール首相は、姉妹政党であるキリスト教社会同盟（CSU）および自由民主党（FDP）との連立政権を率いていました。選挙の結果、CDU/CSUは294議席を獲得しました。これは前回選挙と比較して25議席の減少ではありましたが、最大のライバル政党である社会民主党（SPD）を42議席上回り、第1党の座を維持することに成功しました。

しかし、連立与党の状況は複雑でした。FDPは前回選挙より議席数を減らし、47議席にとどまりました。そのため、同盟90/緑の党|同盟90_緑の党に抜かれ、第4勢力に転落するという結果となりました。連立与党全体では341議席を獲得し、辛うじて議会の過半数を確保しました。この結果を受け、コール首相は5期目となる首相の座に就くこととなりました。

一方、民主社会主義党（PDS）は第2投票で得票率4.1％という結果に終わりました。これは、議席配分を得るための最低ラインである5％を下回る結果であり、当初は議席獲得が絶望視されました。しかし、選挙区において4議席を獲得したことで、比例配分における議席配分の資格を得ました。結果として、PDSは30議席を獲得することになりました。これは、東西ドイツが統一された前回の1990年選挙（東西ドイツでそれぞれ5％条項が適用）で獲得した17議席を大きく上回る結果でした。

この選挙の結果、CDU/CSUとFDPによる連立政権は続投することとなりました。しかし、議席数減少という結果を受け、コール首相率いる与党は、今後の政権運営において、より慎重な対応を迫られることになったと言えるでしょう。選挙制度の複雑さや各政党の思惑が複雑に絡み合った、波乱含みながらも重要な選挙となりました。この選挙は、ドイツの政治史において、重要な転換点として位置付けられるでしょう。

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