1996年のJリーグカップ

1996年Jリーグカップ概要

1996年に開催されたJリーグカップは、6月1日の開幕から9月25日までの日程で行われ、清水エスパルスが初優勝を果たしました。この大会は、ヤマザキナビスコを冠スポンサーに迎えて行われ、正式には「Jリーグヤマザキナビスコカップ」として知られています。前回の大会から2年ぶりの実施となり、これまでにない規模の115試合が実施され、参加した全16チームが少なくとも14試合を戦うこととなりました。特に注目すべきは、準決勝までの各試合で活躍した21歳以下の選手に与えられる「ニューヒーロー賞」が新たに創設された点です。

レギュレーション

1996年のJリーグカップは、参加チームがJリーグの正会員クラブに限定されました。前回の大会では準会員資格で参加した柏レイソルとセレッソ大阪が正会員になり、さらにこの年に新規加入した京都パープルサンガとアビスパ福岡も初めて大会に出場しました。一方、準会員であるコンサドーレ札幌、ブランメル仙台、ヴィッセル神戸、鳥栖フューチャーズは、JFLの過密スケジュールを理由に不参加でした。

大会は、8チームずつを2つのグループに分け、全チームがホーム・アンド・アウェー形式の総当たり戦を行いました。それぞれのチームは、1週間に同じ対戦相手と連続して2試合を戦い、スコアの合計で勝敗が決まる方式を用いました。このルールにより、試合ごとの結果と勝ち点の獲得が必ずしも一致しない場合もありました。こうした細かなルールが、戦況に多様性をもたらしました。

グループリーグは、6月1日から7月3日までと、8月10日から8月21日までの2つの期間で盛況裡に行われました。あいにく一部は台風の影響によって日程がずれる事態も発生しました。アトランタオリンピックに向けたU-23サッカー日本代表の活動を考慮し、本大会の進行には一時的な中断が設けられました。

決勝トーナメント

グループリーグを勝ち抜いた上位4チームが、ノックアウト方式の決勝トーナメントに進出しました。準決勝では、90分で勝敗が決まらない場合、Vゴール方式による延長戦を行い、それでも結着がつかない場合はPK戦が実施されました。決勝戦でも同様に、延長戦が用意され、最終的な勝者がPK戦によって決することもあります。

表彰

その結果、大会のMVPには清水エスパルスのサントス選手が輝き、また「ニューヒーロー賞」として名波浩選手（ジュビロ磐田）と斉藤俊秀選手（清水エスパルス）が受賞するなど、若手選手の活躍が特に目立つ大会となりました。得点ランキングについても、多くの選手がこの大会でアピールする場となり、次代のサッカー界を担う存在を示しました。

1996年のJリーグカップは、サッカーの楽しさや競技の厳しさを再確認できる素晴らしい舞台となり、また次代への布石を打つ機会にもなりました。ファンにとっても記憶に残る大会であったことは間違いありません。

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