1997年のMLBエクスパンションドラフト

1997年MLBエクスパンションドラフト

1997年11月18日、アリゾナ州フェニックスで開催されたMLBエクスパンションドラフトは、1998年から新たにナショナルリーグ西地区に参入するアリゾナ・ダイヤモンドバックスと、アメリカンリーグ東地区に加盟するタンパベイ・デビルレイズの球団設立に伴って行われました。

背景

1993年に実施されたエクスパンションによってコロラド・ロッキーズとフロリダ・マーリンズが誕生し、両球団は成功を収めました。この成功を受けて、MLBはさらなる球団拡張を検討しました。そして、1994年3月にエクスパンション委員会が設置され、委員長にはジョン・ハリントンが就任。地域選定を行い、バッファロー、ナッシュビル、ノーザン・バージニア、オーランド、フェニックス、タンパ、バンクーバーの9つの自治体がフランチャイズ権獲得を目指しました。

議論の結果として、1995年にはフェニックスとタンパの2地域が新球団の本拠地に決まり、アリゾナ・ダイヤモンドバックスとタンパベイ・デビルレイズという名称が採用されました。両球団はそれぞれ、設立のために1億3,000万ドルの加盟料を支払う必要がありました。この費用は、段階的に支払われ、最終的には1億5,500万ドルに達しました。

エクスパンションドラフトの進行

エクスパンションドラフトでは、指名の順番を決めるためにコイントスが行われました。この結果、ダイヤモンドバックスは特定の順番を選択する権利を得ました。ドラフトは3巡にわたり、1巡目と2巡目には各チームが14人ずつ、3巡目には7人の選手を指名可能でした。最終的には、合計35名の選手が選ばれることになりました。

ダイヤモンドバックスの指名は、GMのジョー・ガラジオラ・ジュニアによって行われ、デビルレイズはチャック・ラマーGMが指名を担当しました。既存の28球団からは、特定の選手を除いて選手を指名できるルールが設定され、各球団は指名できない選手をリストアップしました。これは競技の公平性を保つために重要なプロセスでした。具体的には、18歳未満でプロ契約が4年未満、また19歳以上で3年未満の選手は指名不可とされました。

このエクスパンションドラフトは、特に1992年のものと異なり、各球団の指名できない選手リストが漏洩しないよう、厳格に管理されました。コミッショナー事務局はこの管理を徹底し、リストの漏洩が発覚した場合には罰金を科す旨を各球団に通達しました。これにより、結果として公正なドラフトが実現しました。

このドラフトによって誕生したダイヤモンドバックスとデビルレイズは、その後のMLBにおいて重要な役割を果たすこととなります。両チームは新たなファン層の獲得に貢献し、メジャーリーグのより多くの地域に広がる影響力を持つことになりました。

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