1st Priority

「1st Priority」（ファースト・プライオリティ）は、女性ボーカルユニット・メロキュアが2003年2月1日にリリースした通算2枚目となるシングル作品です。発売元は当時のコロムビアミュージックエンタテインメント（現：日本コロムビア）でした。

本作のタイトルトラックである「1st Priority」は、テレビアニメ『ストラトス・フォー』のオープニングテーマに採用されました。この楽曲タイトルには、「いちばん大切な人」という温かい思いが込められています。

ボーカルパートは、AメロとBメロでメンバーの岡崎律子と日向めぐみが交互にリードボーカルを務め、サビ部分では主に日向めぐみがリードを担当するという特徴的な構成になっています。

メロキュア結成当初、楽曲の作詞・作曲はすべて岡崎律子が手掛ける予定でしたが、「1st Priority」の制作オファーがあった際、岡崎律子が多忙でスケジュール調整が難しかったため、日向めぐみが作詞・作曲を担当することになったという経緯があります。日向めぐみが作詞・作曲の両方を手掛けた楽曲が、自身のソロ活動や他アーティストへの提供曲を含め、シングルの表題曲として発表されたのはこの曲が初めてのことでした。この楽曲の成功は、その後のメロキュアの楽曲制作体制にも影響を与え、岡崎律子と日向めぐみの二人が共同で、またはそれぞれが単独で作詞・作曲を手掛ける体制が確立されました。

後年、2015年にリリースされたメロキュアの集大成的なアルバム『メロディック・スーパー・ハード・キュア』には、オリジナルバージョンに加え、ピアニスト・末光篤氏（SUEMITSU & THE SUEMITH）による新たなリアレンジバージョンが新録で収められています。この新録バージョンは、アレンジが大きく異なるだけでなく、オリジナル版とは異なる岡崎律子と日向めぐみの歌唱パート分けも特徴です。

カップリングに収録された「So far, so near」は、同じくテレビアニメ『ストラトス・フォー』の劇中歌として使用されました。この曲のタイトルには、夢や人と人との関係性を「遠くて近い、近くて遠い」というイメージで表現した意味が込められています。こちらの楽曲では、主に岡崎律子がメインボーカルを担当しています。

また、『ストラトス・フォー キャラクターソングアルバム beyond the stratosphere』には、アレンジャーの西脇辰弥氏によるピアノ伴奏のみのアコースティックバージョンが新録で収録されました。このアコースティックバージョンは、前述のアルバム『メロディック・スーパー・ハード・キュア』にも収録されています。

本作の収録曲は以下の4トラックです。

1st Priority（作詞・作曲：日向めぐみ／編曲：関淳二郎）
テレビアニメ『ストラトス・フォー』オープニングテーマ
So far, so near（作詞・作曲：岡崎律子／編曲：西脇辰弥）
テレビアニメ『ストラトス・フォー』劇中歌
1st Priority(オリジナルカラオケ)
So far, so near(オリジナルカラオケ)

本作はリリース当時、深夜アニメの主題歌CDシングルとしては異例ともいえるヒットを記録しました。その注目度は高く、夕刊フジのウェブサイトで紹介された際には、Yahoo! JAPANのトップページのトピックスにも取り上げられるなど、大きな話題となりました。

「1st Priority」は、メロキュアの楽曲としては初めてとなるミュージックビデオが制作された楽曲でもあります。映像はすべてコロムビア社内で撮影されたもので、テレビアニメ『ストラトス・フォー』のDVD第3巻の特典映像として収録されています。

このように、『1st Priority』シングルは、メロキュアの代表曲を収録しているだけでなく、グループの制作体制の変化や初のミュージックビデオ制作など、その活動における重要な節目となった作品と言えます。

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