2 ワールドトレードセンター

2 ワールドトレードセンターの概要

2 ワールドトレードセンター（Two World Trade Center、略称：2 WTC）は、ニューヨーク市におけるワールドトレードセンター跡地に建設が計画されている高層ビルです。所在地はグリニッジ通り200号にあり、これにちなんで200グリニッジ・ストリートとも呼ばれています。このビルの名称は、旧ワールドトレードセンターの南館と同じものです。

設計の変更と経緯

初期の設計は著名な建築家であるノーマン・フォスター卿が手がけました。フォスターの設計による2 WTCは、地上から屋上までの高さが387m、最頂部は411m、79階建ての構造になる予定でした。そのデザインは、ワールドトレードセンター再建計画を主導したダニエル・リベスキンドの理念を反映したものであり、ビルの上部は斜めにカットされており、4つの菱形の断面が特徴的でした。このデザインの目的には、毎年9月11日にツインタワー跡地に影が落ちないようにするという意図がありました。

完成は当初2015年から2016年にかけて予定されていましたが、2008年の世界金融危機の影響で工事は一時中断されました。その後、2013年までには基礎工事が完成したものの、ビル本体の建設は長期間再開されませんでした。フォスターの計画はビャルケ・インゲルスが率いるビャルケ・インゲルス・グループ（BIG）によって手直しがなされていましたが、2014年には、ニューズ・コープと21世紀フォックスが新たなテナントとして浮上し、フォスター案はメディアグループの本社には適さないとされ、ブランド新デザインの開発が求められることとなりました。

2015年に発表された新たなデザイン案では、ビルは7つの異なる直方体がずらしながら積み上げられ、それぞれの直方体は異なるテナントに合わせて設計されることになりました。直方体の間には空中庭園が設けられる予定で、完成時には408m（1,340フィート）の高さになる見込みです。

将来の不確実性と新たな展望

しかし2016年にニューズ・コープと21世紀フォックスが現本社に留まる決定を下し、ビルのキーテナントを失うこととなりました。この状況により、2 WTCの将来は不透明になり、開発業者のラリー・シルバースタインは今後のキーテナントの選定によってフォスター案とインゲルス案のいずれを採用するかを判断すると述べました。

2020年に入り、シルバースタインはフォスターと設計案のアップデートに関する協議を進めていることを公表しました。2021年には、再度フォスター・アンド・パートナーズが関与し、「世界一健康で持続可能な建物」を目指すことを打ち出しています。2022年には、フォスターの新たなデザイン案が発表され、これが多層のガラス張りの超高層ビルのような形状となり、チャーチ・ストリート側から見て西側に向かうほど高くなるよう工夫されています。また、各ビルは数層に分けられ、層間や屋上には緑化が施される計画です。

このように、2 WTCはその設計や経緯において多くの変遷を経ており、今後の進展が注目される建築物となっています。

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